2013年7月11日(木)
「慰安婦」暴言で橋下氏
抗議意見は「市民の声でない」?
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、自身の「慰安婦」暴言をめぐり、自分が“共産党系”とみなした団体を通じて市に寄せられた抗議の意見をまともに市民の声として扱わないという異常な反民主主義的な体質をあらわにしています。
大阪市によると、橋下氏の発言に関して市に寄せられた意見は9139件(5月13日から6月12日までの1カ月間)。橋下氏はこれについて「共産党関係の運動団体がやっているファクスを除いたとして、本当の市民の意見の2500件を分析したら賛否が半々」(6月30日、鹿児島市)、「6000通は共産党系。だから反対しかいわない。それは除いて残り3000の一般市民の方々の意見は賛成、反対が半々」(7日、八尾市)などと繰り返してきました。
しかし、本紙の取材に市担当者は「寄せられた意見のなかでどれだけが共産党系などという分析はしていない」と言明しています。
そもそも、市民の抗議の思いがこもった意見を「共産党系」と決めつけ、「本当の市民」の意見ではないなどとするのは、侵略戦争に反対する人を「アカ」と決めつけたり「非国民」とした戦前の暗黒政治をほうふつとさせるような、驚くべき反民主主義的な感覚です。
橋下氏はこれまでも、市職員に「思想調査」を行ったり、反対がほとんどだった3万件近い「市政改革プラン素案」への市民意見について「文句を言いたい人だけが言ってくる。それが市民の声と言ったら政治は機能しなくなる」と語ったりしてきました。
自分への批判の声は「市民の声」ではないのでしょうか。参院選は、こんな橋下「維新」の主張は通用しないことを突きつける絶好の機会です。(小浜明代)