2013年7月2日(火)
名前・住所・学歴まで収集
仙台高裁 元情報保全隊長認める
自衛隊国民監視差し止め訴訟
自衛隊情報保全隊による国民監視の差し止めを求める訴訟の控訴審第5回口頭弁論が1日、仙台高等裁判所で開かれました。前回に引き続き、元陸上自衛隊情報保全隊長の鈴木健氏の証人尋問が実施され、鈴木氏は、広範な団体の、個人の名前や住所、学歴など細かな個人情報を収集し、文書としてまとめていたことを認めました。
原告弁護団の甫守(ほもり)一樹弁護士の尋問に対して鈴木氏は、自衛隊の業務に、どの程度支障をきたす可能性があるのか判断するためとしながら、自衛隊のイラク派遣に反対活動をする団体の関係者や関係団体の活動も情報収集の対象になりうると証言。広範な団体が対象になることを認めました。
また、個人の名前や住所、生年月日、学歴、所属団体、所属政党など、細かな情報を収集していたと話し、さらにそれを整理した文書があることも認めました。
マスメディアの取材について鈴木氏は、自衛隊の広報を通した取材以外はあり得ないと述べ、隊員や家族に対する広報を通さない取材は情報収集の対象になり得ると答えました。
この訴訟は、自衛隊情報保全隊にイラク派遣反対運動を監視されたとして、東北6県の住民が情報収集の差し止めなどを求め訴えたもの。一審仙台地裁は、5人についての情報収集は違法だとして賠償を認めましたが、差し止め請求は却下。原告、国の双方が控訴しました。