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2013年6月29日(土)

EU、若者雇用策に1兆円

緊縮一辺倒を転換 / 中小企業へ低利融資も

27カ国首脳会議

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 【ブリュッセル=浅田信幸】20歳前後の若者の失業者560万人を抱える欧州連合(EU)が本腰を入れて若者の雇用対策を開始します。27日、ブリュッセルで開いた27カ国の首脳会議が、従来の緊縮一辺倒の姿勢を転換させ、危機打開への中心課題として若者雇用と中小企業支援の方針を確認しました。

 若者の雇用策では全体として80億ユーロ(1兆円強)に上る資金を投入します。すでに確認ずみの7年計画(2014〜20年)を前倒しし、同予算60億ユーロに加え、EUの構造基金(地域間格差是正のための補助金)や未執行に終わった予算などを、来年と再来年の2年間に、とくに若者の失業率が高い国や地方に集中的に注ぎ込みます。学業終了後あるいは失職後、就職先が見つからない若者に対して、4カ月以内に、仕事か職業訓練、高等技術の習得などの具体的選択肢を提示できる体制を整えるとしています。具体的措置の実行は各国に委ねられるため、それぞれの国の政府の手腕が問われることになります。

 EUでは債務危機、財政危機により、財政再建を優先課題として厳しい緊縮政策がとられ、南欧諸国を中心に失業が激増。中でも24歳以下の若者の失業がギリシャとスペインでは60%近く、イタリアとポルトガルでもほぼ40%に達し、「失われた世代」の論議を巻き起こしてきました。

 首脳会議はまた、雇用対策にも通じる措置として、南欧諸国の中小企業への融資を思い切って拡大する方向で合意しました。事業所数で全体の99%を占める中小企業は労働者数でも圧倒的多数を抱えており、不況脱出と失業問題の打開にとってもカギを握る部門とみられています。

 失業問題に苦しむ南欧諸国の中小企業は、経済がより堅調な北欧諸国と比べて、3〜4倍もの利子を支払わなければ融資を受けられない状況にあるといわれます。このため、首脳会議は欧州投資銀行(EIB)を通じた550〜1000億ユーロ規模の低利による融資計画の策定を財務相会議に委ねました。


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