2013年4月13日(土)
中国山地・群馬・高知沖…自衛隊空域も米軍独占
井上議員に防衛省提出
訓練の実態初めて判明
全国に広がる自衛隊専用空域を米軍機が自由勝手に使用して訓練を行っている実態が、このほど日本共産党の井上哲士参院議員に防衛省が提出した資料から明らかになりました。全空域での訓練実態が示されたのは初めてです。
在日米軍用の訓練空域は日米地位協定に基づく日米合同委員会を通じて提供されますが、これら自衛隊空域は訓練空域として提供されていません。それにもかかわらず、米軍がほぼ独占的に使用している実態が浮かび上がってきました。
同省が提出した記録は、航空自衛隊の各基地が米軍からの使用通報を受けて「調整」を行ったもの。2011年1月から今年2月までの飛行日数と飛行時間です。
米軍機の低空飛行訓練によって深刻な爆音被害をもたらしている中国山地の「エリア567」では、訓練日数は11年211日、12年191日(2〜4月はデータが欠落)、今年は2月までで51日に達しています。飛行時間も11年1274時間、12年991時間、13年(2月まで)317時間となっており、今年に限れば、1日あたり5時間以上になります。同空域では岩国基地(山口県)所属機の使用が目立っています。
また、厚木基地(神奈川県)に所属する米空母艦載機が主に使用する、群馬県上空の「エリアH」「エリア3」でも年間を通じて飛行が見られました。
海上に広がる訓練空域では、高知県沖の「エリアL」、北海道から青森・秋田県沖に広がる「エリアC」での飛行が目立っています。Lは岩国基地所属機、Cは三沢基地(青森県)所属機が主に使用しています。
危険な訓練やめよ
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井上哲士参院議員の話 日本政府が国の主権を侵害するような事態を認めてきたことは重大です。
しかも政府は、米軍機の訓練回数や時間などを把握していながら、爆音被害を受けている地方自治体に対して「承知していない」といって情報を開示してきませんでした。
また、「米軍との調整が必要」だとして今回の資料公表まで9カ月かかりました。自衛隊が国内法に準拠して米軍との空域調整をやっているにもかかわらず、なぜ米側におうかがいを立てなければいけないのでしょうか。
欠陥機オスプレイの訓練も想定されます。日本上空での危険な訓練をやめさせるよう訴えつつ、自治体に必要な情報を開示するよう求めていきたい。