2013年4月3日(水)
不況でも出生率下がらず 仏
「生活・労働両立の政策」が要因
フランスで昨年誕生した赤ちゃんの数が一昨年とほぼ変わらなかったことが明らかにされました。世界では不況下にある国で出生率が軒並み低下する中、喜ばしいニュースだと話題になっています。
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国立人口統計研究所(INED)が3月末に発表した調査報告によると、昨年フランスで誕生した赤ちゃんは79万2000人で、一昨年(79万3000人)とほぼ変わりませんでした。一人の女性が一生のうちに生む子どもの平均数を示す合計特殊出生率も2・00と前年と同率でした。
報告は「経済危機による不確実性と失業の増大が出生率を下げると予測」されていたことをあげ、とくに米国で危機以前の2007年の出生率2・12から11年の1・89へと急激に低下させている事実と対比させて、驚きを表明しています。
フランスの発表と相前後して欧州連合(EU)も域内27カ国の出生率を発表。それによると、08年の出生率1・60をピークに11年は1・57と低下傾向が出ており、欧州委員会のコミュニケは「危機が出生率に否定的な影響を及ぼしている」と指摘していました。
フランスの出生率について、フランソワ・エラン元INED所長は、フランスには「女性にとって家族生活とフルタイム労働の両立を可能にする家族政策」があると述べ、最大の要因にあげています。 (パリ=浅田信幸)