2013年3月18日(月)
認可保育園大幅増設 「用地ある」
待機児の解消迫る
大山都議の質疑から
「都民の訴えに真摯(しんし)に耳を傾け、認可保育園の増設に全力を尽くしていただきたい」。13日の東京都議会予算特別委員会で待機児問題を取り上げた日本共産党の大山とも子都議は、未利用の都有地が123カ所あることを示し、都がやる気になれば認可保育園の大幅な増設が実現できると、猪瀬直樹知事に迫りました。
(東京都・岩間萌子)
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共産党都議団の2月の調査(18区24市6町村)では、4月入園申し込み者5万7654人のうち、2万2073人が入れなかったことが判明。区部では4割以上の子どもが認可保育園に入れず、7割以上が入園できなかった区もあります。
広さ量とも充実を
大山氏は、利用希望者の8割が認可保育園を望んでいると、東京都社会福祉協議会の調査を示し、「保護者は自分の子どもだけでなく、どの子も豊かに育ってほしいと願っているから認可保育園を求めている」と主張。
大山氏は認証保育園の過半数が、0〜1歳児の1人当たり面積3・3平方メートル未満と狭い一方、認可保育園(0歳児)は5平方メートル以上が8割と大多数(表)であり、実態は認可保育園の方が充実していると指摘。施設基準について、本会議で「認証保育所と認可保育所は同等」と述べた猪瀬知事の認識をただしました。
猪瀬知事 5平方メートルあるというのは、逆に入れなかった人が不公平になる。いかに待機児童を減らしていくかという弾力的運用をどうするかという問題を考えないといつまでたっても待機児童は減りませんよ。
大山氏 つまり子どもたちを詰め込んだ方がいいんだ、そういうことですよね。
大山氏は、国の社会保障審議会の研究事業でも2歳児と3歳児以上の1人当たり面積基準の国際比較で、14の国・自治体のうち日本は最下位だと指摘。猪瀬知事は「北海道と東京と比べたってしょうがない。外国だって広い場所とここと比べてもしようがない」と答えました。
大山氏は、十分な広さで保育することの重要性を指摘し、「この3年間で認可保育園を都内で1万7500人分、保育園の数でいうと150カ所増やせたんです。やる気になればできるんですよ」と強調。保育の質と量両面の拡充を都に求めました。
国公有地の活用で
大山氏は保育園用地を確保するため、国や都が保有する土地を最大限活用することを提案。廃止を決定した国家公務員宿舎は都内185カ所あり、処分を検討している国有地などを含め121カ所程度、活用可能な土地があると紹介しました。
大山氏は、都財務局所管の未利用都有地(500平方メートル以上)が123カ所あると指摘し、以前、保育園を希望する声が上がっていた旧練馬高等保育学院跡地(練馬区)の例をあげました。
大山氏 (自治体から)保育園整備などのために使いたいという要望が出されたらどう対応するのでしょうか。
中井敬三財務局長 一般的には、都庁内での利活用の見込みがない場合には、地元区市町村による利用の意向や内容を確認し、区市町村への売却や貸付を検討していく。
大山氏は新宿、杉並、中野、江戸川区などの都有地の例もあげ、知事の権限で活用可能な土地の情報を集中させ、公開するよう要求。川澄俊文福祉保健局長は「未利用の都有地につきましては、これからも積極的に活用していきたい」と答えました。
大山氏は「知事、今まで示したように土地はあるんです。あとは東京都がいかに力を発揮して認可保育園のために活用できるかなんです」と強調。認可保育園を増やせば、保護者の職場復帰を助けるだけでなく、保育従業者の雇用の拡大や地域の中小企業の仕事確保にもつながると述べ、都民の願いに応えて、認可保育園を大幅に増設するよう求めました。
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