2013年2月20日(水)
水増し請求で処分の三菱電機
指名停止中、1340億円受注
防衛省は開き直り
中距離地対空誘導ミサイルなど防衛装備品の水増し請求(過大請求)で、指名停止処分を受けた三菱電機が、指名停止中にもかかわらず、防衛省から昨年末までの11カ月間に、241件、1340億円もの受注をしていたことが19日までに分かりました。日本共産党の井上哲士参院議員への防衛省提出資料で判明したもの。同省は13日、同社から水増し請求額に違約金などを加えた約495億円が返納されたとして、同日、指名停止を終了しましたが、指名停止が骨抜きになっていたことを浮き彫りにしました。
三菱電機が指名停止となったのは、昨年1月27日。しかし、装備施設本部が、2月29日に、「指揮管制支援ターミナルテストサイト機材」の借り上げ契約を結ぶなど、三菱電機の受注は「処分」から1カ月しかたっていないのに始まっています。
“当事者”
3月30日には、水増し請求が発覚した“当事者”とでもいうべき「03式中距離地対空誘導弾」の製造請負契約を187億1625万円で結んでいます。
このほか、「99式空対空誘導弾」「F15戦闘機用レーダーセット」など、昨年12月末までの契約件数は241件、1340億8201万3492円にのぼります。(表参照)
政府、防衛省は「真にやむを得ない事由がある」と認められる場合に限っているとしていますが、「指名停止」が例外になっていないことを示しています。
機能せず
参議院の要請で三菱電機などによる水増し請求の経緯、方法、内容などを検査した会計検査院は、昨年10月25日の報告書で、指名停止中も三菱電機が巨額受注していることにふれ、「指名停止等の措置がペナルティーとして十分機能していない」と指摘するほど。
防衛省は昨年12月21日、再発防止策を発表しましたが、「指名停止会社の防衛省に対する売上高を大きく引き下げる効果は引き続き期待することができず、自衛隊の任務遂行に影響を与えない形でその制裁的効果を高める方策は現実的には見当たらない」などと、開き直っています。
子会社3社も
三菱電機と同様に水増し請求していた三菱プレシジョン、三菱電機特機システム、三菱スペース・ソフトウエアの子会社3社も指名停止中に受注していました。
昨年末までに三菱プレシジョンが44件、27億3166万7925円などで、子会社3社を含めると、指名停止中の契約総額は、366件、1392億1417万5667円にのぼります。
また、昨年5月25日に指名停止となった住友重機械工業は1件、100万8000円、住重特機サービスは16件、3億4514万4975円をそれぞれ受注していました。
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