2013年2月4日(月)
中国大気汚染
粗悪ガソリンに批判
問われる基準 “企業モラル低い”
【北京=小林拓也】中国で深刻化している大気汚染の原因の一つに挙げられているのが粗悪な自動車用ガソリンです。インターネット上では、ガソリンを供給している国有石油大手に対する批判が高まっています。
中国メディアによると、中国石油化工(シノペック)の傅成玉会長は1月31日、「石油精製企業は大気汚染に直接的な責任を負う者の一つだ」と責任を認めつつ、「これは企業の質が基準に達していないからではなく、わが国の基準が十分ではないからだ」と強調しました。
これに対し、ネット上では「国の基準は国有企業のおまえたちが決めるんじゃないのか」「責任感がまったくない」「国の基準も低いが、国有企業の道徳感が低すぎる」などの批判が噴出しました。
批判を受け、傅会長は1日、メディアに対し「中国石油化工は毎年約300億元(約4500億円)を投入し、ガソリンの品質問題を解決する」と述べ、来年から硫黄含有量が50ppm以下のガソリンを全面的に供給すると表明しました。
中国で使用されているガソリンは、北京や上海など環境基準の厳しい一部大都市を除くほとんどの地域で、硫黄含有量150ppm以下が基準。日本や欧州の基準の約15倍にのぼります。