2012年12月11日(火)
私学も無償に
お金の心配なく学びたい 親に負担かけたくない
高校生の声 銀座に響く
私学だってお金の心配なく学びたい―。全国の高校生・保護者・教職員1700人が9日、東京・銀座をパレードしました。全国私教連や高校生などでつくる実行委員会が主催。参加者のうち高校生は700人です。「これ以上親に負担をかけさせたくない」「これからの高校生につらい思いをさせたくない」との声にあふれていました。
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集会・パレード
愛知はバス3台で、青森や宮城などからは新幹線で参加するなど、32都道府県からかけつけました。
パレードに先立ち、日比谷野外音楽堂で集会が開かれました。
学費の公私間格差は全国平均で40万円。重い負担が親にのしかかることに、高校生たちは胸を痛めます。
「私学助成の増額を」と書かれたそろいのはっぴを着て開会を待っていたのは、宮城県の高校生。声をそろえて「私学は絶対無償化でーす」。学費をめぐる話は止まりません。
「公立と私立でお金の差が激しいのはおかしい」
「親がかわいそうだから、お小遣いぐらい稼がなきゃってバイトをしてるけど、時給がすごく安くてお金がたまらない」
「資格の検定料も高いし、大学とかこれからもっとお金がかかる。無償にしてほしい」
長野県の高2生は「生徒会長になったばかりで緊張してます」。弟も同じ私立高校を受験する予定です。「生徒のレベルにあわせて基礎からきちんと勉強を教えてくれるいい学校です。でも、私学に同時に2人は本当に大変だなと思う」
ステージのリレートークでマイクをもち、無償化を求める署名活動を紹介します。「私学の学費がこんなに高いのは差別です。無償化のためにもっと訴えたい」と堂々と決意を語りました。
リレートークでは12人が発言。山形の高校生が切ない胸の内を訴えました。
「高校に入学する前、『私学、お金かかるね』と親が言ったことがあります。私にはとても重く感じられたのを覚えています。その一言がずっと引っかかってました。私のように罪悪感をかかえないで学校に通える仲間を増やしたい」
日本政府は、大学までの段階的な無償化を定めた国連人権A規約を留保していましたが、大きな運動で今年9月、留保を撤回させました。今年は私立学校への就学支援金制度の見直しの時期でもあります。実行委員会は、私立高校と公立高校の学費の格差を解決する大きなチャンスだとして、▽私立高校生への就学支援金を拡充して、私学も無償に▽私学助成の抜本的な増額を―と要求をかかげ、運動をすすめています。
当日、発表された高校生アピールは呼びかけます。「『ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために』。希望のため、夢のため、仲間のため、未来のため、今こそ行動を起こす時です」
共産党は「応援宣言」
日本共産党は「私学応援宣言2012」として次のような提案をしています。
(1)私立高も実質無償化…国際人権規約の留保撤回をうけ、無償化計画をつくらせます。
(2)私学助成の抜本増額…経常費2分の1助成の早期実現、施設助成の拡充などにより、教育条件を向上させ、私学経営を安定させます。
(3)専任教員の大幅採用…仕事は同じなのに低賃金、人員整理の対象となる常勤講師。私学助成増で専任教員を増やし、若手の「使い捨て」を止めます。