2012年11月2日(金)
情報保全隊 流用予算は削除を
原告団など 防衛省に要請
|
自衛隊情報保全隊のための携帯電話などの購入費用を東日本大震災の復興予算から流用している問題で、監視差し止めを求める原告らは1日、流用予算の削除と原告への監視中止を防衛省に要請しました。
要請したのは、自衛隊の国民監視差止訴訟原告団の後藤東陽団長(写真家)と安孫子麟副団長(元東北大教授)、同弁護団、同訴訟を支援するみやぎの会、国民救援会、安保破棄中央実行委員会です。
復興予算で防衛省は、保全隊のデジタルカメラや車両無線などの購入費用8035万円余を計上しています。
原告らが「被災地の復興とはまったく無縁な予算」として削除を要望しました。
これに対し、同省は「部隊や隊員をさまざまな働きかけから保全するため、保全隊の対処能力向上のために必要」などとのべました。
さらに原告らは、今年3月に仙台地裁が保全隊の監視活動を「違法」と断罪した判決の尊重を求めました。
この要望についても、同省は「(仙台地裁の)判断は法解釈と評価の誤りがある」と、無反省な回答。
「しんぶん赤旗」が9月4日付で報じた新たな内部文書では、原告らが2010年12月に仙台市内で開いた集会を保全隊が監視したことが判明しています。
報道について、同省調査課の職員は「『赤旗』に掲載された文書自体を確認していないことからコメントは差し控えたい」と、否定しませんでした。この報道について、防衛省が見解を明らかにしたのは初めてです。
さらに弁護団事務局長の小野寺義象弁護士が「裁判を受ける自由が侵害されている。今後、訴訟の相手方である原告らを監視しないと言えるのか」と質問。
調査課の職員は「情報収集(監視のこと)は、今後も所掌の範囲内で関係法令の範囲内で、適切な方法で行っていく」とのべました。
要望後、小野寺弁護士は「地裁判決について、『法解釈』の問題とのべただけで、これまで認めようとしなかった監視の事実を否定しなかったことは重大だ」と指摘しました。
要請には、日本共産党の井上哲士参院議員と高橋ちづ子衆院議員の秘書が同席しました。