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2012年10月31日(水)

主張

一人親世帯の支援

親も子も安心できる暮らしに

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 シングルマザーやシングルファーザーなど一人親世帯の暮らしが深刻です。「子どもを抱えたままでは、なかなか仕事が見つからない」「ようやく就職できても不安定で低賃金。とても暮らしていけず、将来が見えない」―。とりわけ男性と比べて収入が少ない母親たちが悲痛な声をあげています。改善されない経済状況が事態をますます悪化させています。必死に生きる親と子どもたちを温かく支え、将来に希望がもてる安心の政治への転換が求められます。

一般世帯の約4割の収入

 母子世帯の平均年収は291万円にとどまり、子どもがいる一般世帯の平均年収の約4割しかない―。厚生労働省がこのほどまとめた調査結果(2011年実施)です。働いて得る収入が年間200万円未満という「ワーキングプア」(働く貧困層)の母子世帯は6割以上に達しました。母子世帯のうち生活保護を受給している世帯は14%を超える高水準となっています。多くのシングルマザーと子どもたちが貧困状態におかれている実態を浮き彫りにしています。

 最大の問題は就労のきびしさです。ハローワークで職を探しても、母子世帯の新規求職申し込みの約3割程度しか就職できていません。政府は母子世帯の就労支援策を打ち出していますが、抜本的な対策になっていません。

 母子世帯の80%以上の母親がなんとか仕事をみつけて働いていますが、その47・4%がパートやアルバイトの非正規雇用です。子どもを育てながらでは安定した職にはつきにくく、低賃金で働かざるをえない状態です。子どもの病気により休みが続き退職した人も少なくありません。シングルファーザー世帯も、平均年収が子どものいる一般世帯の7割にとどまるなど大変な生活を強いられています。

 懸命に生きる一人親世帯に冷たい仕打ちを続けてきたのが、歴代政権です。その象徴が、一人親世帯の収入の“命綱”といわれる児童扶養手当(月最大約4万円)の相次ぐ縮小です。自民・公明政権の2002年には所得制限をきびしくしたことに加え、受給から5年後に支給額を半減する改悪を強行しました。国民の批判の声の広がりによって全面実施を「凍結」させましたが、親の“就業意欲”の有無によって線引きしたため、いまも毎月約4000世帯の手当が削減され続けています。

 民主党は09年の総選挙で、児童扶養手当改悪を「元に戻す」と公約したにもかかわらず、政権発足後、一切手をつけていません。それどころか、高齢者への年金減額と抱き合わせで昨年度から2年連続で手当を減額し、さらに「物価と比べてもらいすぎている」と不当な理由を持ち出して1・7%の削減まで強行しようとしています。「チルドレンファースト」の看板さえ投げ捨て、児童扶養手当受給の約110万世帯に負担増を強いる裏切りは許されません。

貧困の克服こそ

 日本の子どもの貧困率は先進資本主義国のなかで最悪の水準です。一人親世帯の貧困がその大きな要因です。一人親で子どもを育てることが働くことの妨げになり、普通の暮らしすらできない社会でいいはずがありません。だれもが安心して子育てしながら安定して働き暮らせる社会をつくることが求められています。


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