2012年9月17日(月)
平頂山事件80年で式典 中国
“歴史の真実守ろう”
日中平和へ誓い新た
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【撫順(遼寧省)=小林拓也】1932年に旧日本軍が中国東北部の平頂山の住民約3000人を虐殺した平頂山事件から16日で80年になりました。同日、虐殺の現場である遼寧省撫順市内の平頂山虐殺事件記念館で追悼式典が行われ、約1000人の撫順市民と日本から訪れた参加者らが日中友好と歴史の真実を守ることを誓い合いました。
生存者の一人で日本政府に謝罪と賠償を求めた裁判の原告だった陽宝山さんの娘婿、劉伝利さんは「時間は傷口を癒やすが、私たちの心の傷は消えない。歴史を改ざんしようとするたくらみは、恥ずべきもので、受け入れられない」と語りました。
裁判の弁護団を代表し、小野寺利孝弁護士が「日本政府が平頂山事件をはじめ過去の侵略戦争について、民衆の被害の事実と軍国主義による加害の実態を正しく見つめ、心からの反省と謝罪を行うことを希望する」とあいさつしました。
日本政府に対する裁判は、2006年の最高裁の上告棄却で原告の敗訴が確定。現在、生存者らは日本政府に謝罪と記念碑の建設などを求めています。
日本から参加した荒川美智代さん(38)は「いま日中間には難しい問題がたくさんあるが、私たち市民が日中平和と反戦の気持ちを伝え、交流を続けなければいけない」と語りました。