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2012年7月28日(土)

新防衛大網・中期防

衆院本会議 赤嶺議員の質問

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 日本共産党の赤嶺政賢議員が26日の衆院本会議で、新防衛大綱・中期防衛力整備計画について行った質疑は次の通りです。


 米軍の垂直離着陸機オスプレイが23日、反対の声を押し切り、岩国基地に陸揚げされました。配備を強行した日米両政府に強く抗議するものです。

欠陥機配備やめよ

 オスプレイは、開発過程で4回、量産開始後もアフガニスタン、モロッコ、米フロリダ州で墜落事故を繰り返してきました。エンジン停止時にオートローテーション、プロペラを自動回転させて着陸できないなどさまざまな問題が指摘されてきた欠陥機です。配備するのは普天間基地です。住宅地のど真ん中にある基地に配備する。住民の安全より米軍の運用を優先する姿勢は許されません。アメリカ政府に配備の撤回を求めるべきです。

 重大なことは、日米両政府が4月、普天間基地の大規模補修に合意したことです。米海兵隊は、「移設」完了までの間、滑走路や駐機場などを改修し、オスプレイが100%運用可能な基地にすることを求めてきました。今回の合意は普天間基地をオスプレイ基地に強化・固定化するものです。沖縄本島北部の東村高江区では、沖縄防衛局が住民を排除してオスプレイが使用する着陸帯の整備を強行しています。工事を中止し、基地建設はやめるべきです。普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去を強く要求します。

 オスプレイは、沖縄全域にとどまらず、キャンプ富士や岩国基地などを拠点に全国七つの低空飛行訓練ルートで訓練する計画です。日本全土を訓練場にする傍若無人な計画を容認するのですか。

 これらの訓練ルートは、オスプレイ配備のために米軍が実施した環境レビューで明らかにされました。これまで低空飛行訓練が大問題となりながら、政府がその存在を明確にしてこなかったものです。一体いつからどのように設定されているのか、政府はこれを認めてきたのか、全容を明らかにすべきです。

 低空飛行訓練は、防空レーダーをかいくぐって敵地に侵入し、相手のレーダーや対空砲を爆撃することを目的とした軍事訓練です。山あいを縫うように飛行し、ダムや建物を標的に見立てて急接近する危険極まりないものです。米軍機の墜落や木材運搬用のワイヤ切断、衝撃波による土蔵崩壊や窓ガラス破損、爆音による家畜被害が相次いできました。

 日米安保条約・地位協定によれば、米軍による軍事訓練は日本政府が提供した施設・区域内で行うのが原則です。なぜ施設・区域外で軍事訓練ルートを設定できるのか。環境レビューは、これらのルートを使って地上60メートルの超低空で飛行訓練を行うことまで明記しています。住宅密集地300メートル、それ以外は150メートルという日本の航空法の最低安全高度をまったく無視したものです。

 しかも、学校や病院の上空に公然とルートを設定しています。99年の日米合意にさえ違反することは明らかであり、低空飛行訓練は中止し、訓練ルートは廃止すべきです。

軍事的緊張高める

 2010年末に策定された新防衛大綱・中期防衛力整備計画は、自衛隊の海外派兵路線を継続した上、「動的防衛力」と称して陸海空自衛隊の態勢を南西地域にシフトさせる方針を打ち出しました。警戒監視と軍事演習を強化し、国境の与那国島に自衛隊配備しようとしています。

 アメリカの同盟国である韓国とオーストラリア、さらにASEAN(東南アジア諸国連合)諸国との軍事的連携の強化をはかり、ACSA(物品役務相互提供協定)や秘密保護協定、防衛協力覚書の締結をすすめています。周辺諸国との無用な軍事的緊張を高めるだけではありませんか。

 東アジア地域で必要なことは、アメリカ言いなりの軍事対応の拡大ではありません。相互の信頼・協力を拡大し、東シナ海を平和・協力・友好の海とするための外交努力です。憲法9条を持つ日本がその役割を率先して果たすことが求められています。アメリカいいなり・軍事優先の大本にある日米安保条約を正面から問い直すべきことを強調し、質問を終わります。


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