2012年7月1日(日)
「表現の自由」最高裁に迫ろう
国公法弾圧2事件 勝利へシンポ
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職務と関係なく政党ビラを配布した国家公務員が不当逮捕・起訴された国公法弾圧堀越事件と世田谷国公法弾圧事件で、最高裁で無罪判決を勝ち取り、表現の自由を守ろうと30日、シンポジウム「最高裁は『表現の自由』を守れるか」が東京都千代田区の星陵会館で開かれ、370人が参加しました。主催は同実行委員会。
基調報告した両事件弁護団の加藤健次弁護士は、「何の実害もなく職場で懲戒処分もされなかったビラ配布行為に刑罰を科すのはおかしい。最高裁は表現の自由を守れと迫りたい」とのべました。
堀越事件の堀越明男さんは「みなさんとともに最高裁で必ず違憲無罪判決を勝ち取るために先頭に立って奮闘します」と決意表明。世田谷事件の宇治橋眞一さんは「公務員の政治的行為を敵視する猿払判決(1974年)や世田谷事件二審判決を覆さなくてはいけない。最高裁に表現の自由を守らせよう」と訴えました。
加藤氏とジャーナリストの青木理さん、学習院大学の青井未帆教授(憲法学)がパネルディスカッション。
青木氏は、「公務員の『党派的偏向』を理由に政治的行為を禁止した猿払判決の論理を額面通りに受け止めれば、『しんぶん赤旗』号外を配る堀越さんを公安警察が盗撮したことこそ国公法違反ではないか」と告発しました。
青井氏は、国公法が公務員に禁じる政治的行為が人事院規則で定められていることについて「非常に広範で、公務員は投票以外ほぼ何もできない。こんなことを規則で定めること自体が違憲だ」と指摘しました。
加藤氏は、最高裁には(1)公務員の政治的行為を全面禁止して刑罰まで科すことが合憲といえるか(2)公安警察の違法な捜査が許されるか(3)裁判所が市民の目線で権利を守る立場に変わるのかどうか―が問われるとのべました。
日本弁護士連合会の山岸憲司会長が、「日弁連は、裁判所が憲法の番人として市民の表現の自由に対する規制が必要最小限度であるかを厳格に審査するよう求めています」とのメッセージを寄せました。