2012年5月19日(土)
“規制緩和見直せ”次々
関越道バス事故受け参考人
穀田議員質問
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衆院国土交通委員会は18日、関越道の高速ツアーバス事故を受けて参考人質疑を行い、規制緩和路線の見直しを求める意見が相次ぎました。
小田征一(おだゆきかつ)日本バス協会副会長は「行き過ぎた規制緩和が人命をそこなった。安全重視の中で見直す必要がある」と強調しました。
安部誠治関西大学教授は、「規制緩和によって安全確保がおろそかになっている。下げすぎた(参入の)ハードルを元に戻す必要がある」とのべました。運転手1人の乗務距離上限670キロについて「あまりに緩すぎる」と見直しを主張。適正な運賃を確保するために届け出運賃を守らせることや仲介業者の排除など、旅行会社に対する規制強化が必要だと強調しました。
旅行会社やバス運行会社などが加盟する高速ツアーバス連絡協議会の村瀬茂高会長は、夜間450キロ超は運転手2人とするなどの自主指針を策定したとのべました。
日本共産党の穀田恵二議員は、「違法状態がまん延し、安全対策がないがしろにされ、起こるべくして起こった事故だ」と指摘。小田氏は「(事業者が)大量に増え、なにをやってもかまわないんだという状況があった」と認めました。国交省の中田徹自動車局長も「ルールを守らせる取り組みが不十分だった」と答えました。
穀田氏は、バスの走行距離の上限が670キロ、運転手の拘束時間が最大週71時間30分で過労死認定基準をはるかに上回るなど、安全を守る歯止めになっていないと指摘。労働条件を改善しない限り、安全は確保できないと強調しました。安部氏は「入り口で労働条件が担保できない企業は入れないようにすべきだ」とのべました。
穀田氏は、「運輸事業は『絶対安全』が要で、命にかかわるところでの規制緩和は間違いだ」とのべ、(1)参入資格の厳格化(2)適正な賃金と労働条件の改善(3)旅行会社の発注者責任―を提起しました。
小田氏は「(参入の)ハードルを高くすることが必要だ」と答えました。