2012年4月14日(土)
AIJ問題
金融庁 不正見過ごし
大門氏 政府調査求める
日本共産党の大門実紀史議員は13日の参院決算委員会で、AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産運用の虚偽報告が長期間にわたり発覚しなかったことについて、金融庁の責任をただしました。
大門氏は、2009年2月にAIJが実質支配するアイティーエム証券(ア社)に金融庁が検査に入っていながら、虚偽や粉飾を見抜けず、その後も放置したことを指摘しました。証券取引等監視委員会の岳野万里夫事務局長は通常の定期検査で、「処分はしなかった」と答えました。
また大門氏は、同時期に、AIJを告発する情報にもとづき金融庁がAIJ浅川和彦社長をヒアリングしていたことをあげ、なぜその時に不正を発見できなかったのかと追及。金融庁の細溝清史監督局長は「不正の端緒や心証は得られなかった」と答弁しました。
大門氏は、年金情報誌に警告記事が出るなど、検査当時は年金業界で「AIJは大丈夫か」と疑問視する声が多くあったことを紹介。「金融庁の検査結果で『問題なし』とされたことで、逆にAIJは顧客を増やし、その後500億円もの損失を出した」とのべ、不正を見過ごし被害を広げた金融庁の責任を批判しました。
さらに大門氏は、顧客をだました監査報告書の偽造について、会計情報センター株式会社が関与したのではないかと指摘。「どの程度関与していたか確認していない」という金融庁にたいし、「監査人が文書偽造に協力すればどんな不正も可能になる」と述べ、徹底調査を求めました。