2012年3月17日(土)
子育て新システム 待機児解消に逆行
田村氏追及 厚労相「人数把握せず」
日本共産党の田村智子議員は16日の参院予算委員会で、政府が導入を狙う「子ども・子育て新システム」は保育を実施する市町村の義務をなくすものであり、待機児童の解消に逆行すると追及しました。小宮山洋子厚労相は「待機児童の人数を把握するとは(法律に)書かない」と述べ、待機児童の人数すら市町村が把握しなくなることを認めました。
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田村氏は、保育先が決まらなかった母親の6割近くが「仕事をあきらめた」と回答した民間機関の調査や、保育所に入れず「週3日、深夜にコンビニでバイトしている」などの切実な母親の声を紹介し、市町村に保育実施義務をしっかり果たさせる仕組みが必要だと強調しました。
その上で、現行制度では市町村が保育実施の「義務」を負い、待機児童を把握して年度途中でも入所を決めているのに対し、「新システム」では市町村は保育費用の一部を給付するだけで、保護者が自分で保育所などを探して直接契約を結ぶことになると指摘。「待機児童に対する市町村の責任が後退する」とただしました。
小宮山氏は「市町村はニーズを把握し、入れる措置を講じる責務を負う」と答弁。田村氏は、保育所に入れない場合でも市町村に何らかの保育を行う義務があると認めた判決もあげて、現行の保育実施義務の規定は極めて重いと強調しました。
待機児童の人数を市町村が把握するのかと迫ると、小宮山氏は「人数をつかむとは(法律に)書かない」と答えました。
田村氏は「一人一人をつかんで入所できるように責任を果たすことにならない」と強調。小宮山氏が基準を緩和して「多様な受け皿を用意する」と弁明したことについても「希望的観測にすぎない」と指摘し、「市町村にもっと義務を果たしてほしいというのがお母さんたちの声だ」と主張しました。
田村議員の質問を見た視聴者から、「大変感動した。私の孫も、保育所に入れなくて娘が困っている。本当に人ごとではない」(埼玉県の女性)などの感想が日本共産党本部に寄せられました。