2012年3月8日(木)
宇宙は平和のために
JAXA法改悪で署名呼び掛け
秋山元飛行士ら
宇宙へのロマンを大切にしたいから、宇宙航空研究開発機構(JAXA)法からの「平和目的」規定削除に反対します―。日本人初の宇宙飛行士でジャーナリストの秋山豊寛・京都造形芸術大学教授ら6人がアピールを発表しました。7日に記者会見し、インターネット上での賛同署名を国民に呼びかけました。9日に国会内で集会を開きます。
JAXAは日本の宇宙開発を担う独立行政法人。その業務を「平和の目的に限り」と定めたJAXA法からこの規定をなくし、研究者・技術者を宇宙の軍事利用に動員するための改定案を、政府が今国会に提出。緊迫した局面となっています。
アピールは政府の改定案の問題点として、憲法の平和原則に抵触する▽宇宙の軍事利用のさらなる拡大につながる▽科学の公開性・民主性の原則が侵される▽研究の自由の侵害につながる▽一部の人たちの議論だけで進められ、当事者であるJAXAの研究者・技術者、国民の声が反映されていない―と指摘。日本の宇宙開発や科学のあり方について「戦争放棄の平和主義の道か、軍事大国化の道かをめぐる岐路に立たされている」として、「これからも日本の宇宙研究・開発は平和主義で行こう」と国民に広く呼びかけています。
7日までに200人以上が署名。「夜空を眺めて戦争の心配をすることなどまっぴらごめんです」「科学は平和の中でこそ栄えます」といったメッセージが集まっています。池内了・総合研究大学院大学教授(宇宙物理学・科学論)は会見で「軍事利用は歯止めがない。安全保障や抑止力という言葉を使うことでどんどん拡大していく」と指摘しました。
署名ウェブサイトは、http://jaxaforpeace.a.la9.jp/です。
呼びかけ人は秋山、池内両氏のほか、浅井基文・元広島市立大学広島平和研究所長(国際政治学・平和学)、安斎育郎・立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長(放射線防護学・平和学)、科学ジャーナリストの小出五郎・元NHK解説委員、藤岡惇・立命館大学教授(アメリカ経済学・核軍縮論)の各氏。