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2012年2月10日(金)

原発事故対策 緊急行動呼びかけ

福島 子どもの医療費、国の責任で無料化を

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 新日本婦人の会の笠井貴美代会長と、ふくしま復興共同センター放射能対策子どもチームの村上裕美さん(43)は9日、東京都内で記者会見し、「福島の子ども医療費無料化を求める緊急アクション」の呼びかけを行いました。


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(写真)記者会見し福島の子ども医療費無料化のアクションを呼びかける笠井(左)、村上両氏=9日、東京都内

新婦人会長・歌手UAさん・香山リカさんら

 東京電力福島第1原発事故を受け、福島県民から県内18歳以下の医療費無料化を求める声が広がっています。これに対して野田佳彦首相は、「子どもの健康管理が最優先」「大変重要な課題」などとのべていたにもかかわらず、「医療制度全体の根幹に関わるので困難」と見送りを決定。福島県の佐藤雄平知事は「極めて残念」とし、県単独での無料化実現に取り組むと表明しました。

 記者会見で笠井氏は、政府の医療費無料化の見送りを「まったく納得がいかない」と批判。「健康不安をつくりだした責任は東電と国にあります。18歳以下の医療費無料化は、県民の不安にこたえるため最低限必要な対策です」と話しました。

 緊急アクションは、(1)国の制度で福島の18歳以下の子ども医療費を無料にしてください(2)それが無理なら、独自に実施する福島県に全額補助してください―の2項目を求めるもの。予算審議が行われている2、3月を中心に▽首相官邸ホームページの「ご意見募集」コーナーやマスメディアに要請メールを送る▽緊急アクションをネット上で拡散させる―などをよびかけています。

 呼びかけ人は、安斎育郎(安斎科学・平和事務所所長)、UA(ウーア)(歌手)、笠井貴美代(新日本婦人の会会長)、香山リカ(精神科医、立教大教授)、室井佑月(作家)、湯川れい子(音楽評論家)、ふくしま復興共同センター放射能対策子どもチームの、6氏1団体です。


子どもの体力・免疫力低下している

地元住民の思い

 ふくしま復興共同センター放射能対策子どもチームの村上裕美さんは、福島県民の思いを次のように訴えました。

 私の子どもが通う学校では、今も屋外活動は2時間までです。校庭の外周にはカラーコーンが立っていて、その外は立ち入り禁止です。敷地内は除染されたけど、学校の外はされておらず、毎日1マイクロシーベルト以上の道を通学しています。

 昨年の「10・30ふくしま大集会」の成功や、県議会での原発廃止請願採択、放射能から子ども守る署名が10万人を超えたなど、少しずつ希望をつないで福島でくらしてきました。しかし、野田首相の収束宣言と医療費無料化見送りで裏切られました。

 政府は「風邪や骨折まで原発事故と結びつけて国が医療費を支払うことは難しい」としていますが、1年近く外で思い切り運動することも遊ぶこともできず、体力も免疫力も低下しているなか、けがをしたり風邪をひきやすくなったりしています。こういうことが原発と関係ないとはいい切れません。

 放射能による健康被害は福島県だけの問題ではなく、各地のお母さんにひろがっている心配です。福島から子どもの医療費無料化の流れをつくっていきたいと思います。


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