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2012年1月31日(火)

検証 衆参代表質問

打開の展望 示した党は

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 今国会で初めて行われた野田内閣に対する各党の代表質問(26〜30日)。野田政権と対決し、政治打開の展望を示したのはどの党か。焦点課題で見てみると―。


消費税大増税

共産党 対案示して断念迫る

首相 論拠総崩れ 自・公 “覚悟”迫る

 消費税大増税について日本共産党の志位和夫委員長は、(1)ムダ遣いを続けながらの大増税(2)「一体改革」でもり込まれる社会保障メニューは切り捨てばかり(3)国民生活に打撃を与え経済も財政も共倒れになる―という三つの大問題を指摘。市田忠義書記局長は「国民の暮らしも経済も壊す」と批判しました。

 野田首相は八ツ場ダム(群馬県長野原町)について「国交相が事業継続を判断した」とのべるだけで、ムダ遣いを続ける理由は説明できません。消費税増税による経済への影響にいたっては、負担増を押し付け、社会保障を切り捨てておきながら、「(一体改革で)将来不安を取り除き、安心して消費や経済活動を行う基礎を築く」などと荒唐無稽な言い訳しか示せませんでした。

 市田氏が「これだけの負担増を押し付けて、なにが『ぬくもり』か」とただしても、首相は何も答えられませんでした。

 結局、三つの大問題について野田首相はまともに答えられず、消費税大増税推進の論拠は総崩れしました。

 これに対し、志位氏は社会保障拡充と財政危機打開の財源について(1)ムダ遣いの一掃と富裕層・大企業優遇の不公平税制の見直し(2)「応能負担」の原則に立った税制改正(3)国民の暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」に前進する―という三つの柱からなる民主的改革案を提示しました。

 自民党の谷垣禎一総裁は、消費税増税を「マニフェスト違反」と民主党を責めるものの、「法案提出を妨げるつもりはない」と当然視。逆に「本当に身を捨てる覚悟があるのか」とけしかけました。野田首相は自民党と「考え方に大きな違いはない」として、“増税談合”に応じるよう求めました。

 公明党の山口那津男代表も、民主党の「最低保障年金制度」の全体像を示すよう求め、「協議できる環境を整えていただきたい」と“増税談合”の進め方を問題にしただけでした。

震災復興・原発問題

共産党 被災者の叫びを代弁

首相 医療費無料化拒む 自民 再稼働あおる

 震災復興・原発問題で、志位氏は、仮設住宅の寒さ対策、被災地での医療・介護の負担減免措置の継続、失業給付延長とともに、中小企業・自営業者の事業再開と雇用確保を一体的に支援するよう提案。子どもの医療費無料化や廃炉、全面賠償など「オール福島」の要求を代弁し、実現を迫りました。

 首相は「オール福島」の願いには背を向け、18歳以下の医療費無料化についても、「国の医療保険制度の根幹に影響を与える」などという理由をつけて、冷酷に拒否する態度を取りました。

 政府は、福島での無料化に90億円かかることを理由にあげますが、民主党は168億円(2011年)も政党助成金を懐に入れています。市田氏は「自らの懐は温めても、福島の子どもたちには手を差し伸べない。こんな冷たい政治はない」と批判しましたが、首相は一言も応えられませんでした。

 一方、自民党は原発停止が「産業活動の大きな足かせとなる」(細田博之元幹事長)と再稼働をあおる立場から質問。谷垣総裁は「お見舞い」を述べただけで震災・原発事故に一切ふれず、民主党の樽床伸二幹事長代行も原発事故での被災について「心が痛む」などと人ごとのようにいうだけで、地方自治体の要望に応えた政権与党としての責任ある方針も示しませんでした。

普天間基地

共産党 無条件撤去を求める

首相 アセス無反省 自民 新基地推進

 野田政権のアメリカいいなりを示す米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)「移設」についてまともに取り上げ、新基地建設(同県名護市)の問題点を追及したのは日本共産党だけでした。

 志位氏は、政府が沖縄県民の総意に反し、新基地建設に向けた環境影響評価(アセスメント)の評価書を県に強行提出したことを、「正当性がないことを自ら示すもの」と批判。垂直離着陸機MV22オスプレイの配備を隠していた「欠陥アセス」だと述べ、日米合意(新基地建設)の白紙撤回と普天間基地の無条件撤去を求めました。

 野田首相は「(アセスは)適切に対応している」と全く反省がありません。自民党は日米合意推進の立場は崩さず、「沖縄の信頼もアメリカの信頼も回復するのは困難だ」(中曽根弘文参院議員会長)と野田政権を攻撃するだけでした。

TPP

共産党 秘密交渉合意を告発

首相 “秘密は当然” 自・公 参加前提

 アメリカに付き従う環太平洋連携協定(TPP)をめぐっては新たな重大問題が浮上しました。志位氏が示したニュージーランド政府の公式文書で、交渉文書などをTPP協定発効後4年間も極秘にするとされていることです。

 志位氏は「国民に知らせないという驚くべき秘密交渉に日本は参加すべきではない」と迫りましたが、野田首相は合意文書を認めながら、「外交交渉では当然だ」と開き直り。“国民に目隠し”の交渉参加を推進する姿勢を示しました。志位氏は、TPPの大問題を指摘して、交渉参加を撤回するよう主張しました。

 自民、公明両党はTPP交渉参加には反対しません。自民党の細田博之元幹事長は土地改良予算など参加を前提にした政策を求め、公明の井上義久幹事長は「交渉の進捗(しんちょく)状況を情報開示すべき」と述べるだけでした。

衆院比例80削減

各党 「民主主義への逆行」

首相 民意切り捨てと認めず

 野田佳彦首相が消費税増税押し付けの口実に狙う衆院比例定数80削減に対しては、各党から批判が相次ぎました。

 自民党の細田博之元幹事長は、「得票率の低い政党を不当に圧迫し、民主主義の原則に違反する」と言明しました。公明党の井上義久幹事長は、比例80削減は「(現行の小選挙区比例代表並立制による民意の)ゆがみをさらに増幅することになり、民意の反映という民主主義の原則に逆行する」と批判しました。

 日本共産党の志位和夫委員長は、「国民の多様な民意を切り捨てる比例定数削減に断固反対する」と述べるとともに、民意をゆがめる小選挙区制を撤廃し、比例代表中心の選挙制度への抜本改革を求めました。

 その上で志位氏は、「議会制民主主義を守るために比例定数削減反対、民意が反映する抜本改革で、党派を超えて力を合わせることを呼びかける」と表明しました。

 ところが、野田首相は「比例定数の削減が民意を切り捨てるとの認識に立っていない」と答弁。どの党も認める小選挙区制のゆがみさえ認めない、異常な姿勢を示しました。


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