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2012年1月26日(木)

子育て新システム 反対運動 広がる

「待機児童問題をすり替えるな」署名・集会・議会意見書

地方では自民・民主議員も

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 民主党政権は、公的保育を解体する「子ども・子育て新システム」の最終案を1月中にもとりまとめ、通常国会に関連法案提出を強行する姿勢です。これにたいし、「新システム」反対の運動が各地で盛り上がりを見せています。


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(写真)保育を守る全国連合会が開いた「新システム」に反対する集会であいさつする高橋ちづ子衆院議員=昨年11月、東京・日比谷公会堂

 昨年11月に東京で開かれた集会。壇上には、「児童福祉法24条廃止で公的責任が後退する」、「待機児童を制度の問題にすり替える」など「新システム」を批判するスローガンが並び、2000人を超える参加者が「新システム」阻止で「ガンバロー」とこぶしを突き上げました。日本共産党の高橋ちづ子衆院議員や自民、公明、社民各党の国会議員があいさつしました。 

全会派一致で

 主催したのは、保育3団体と呼ばれる全国保育協議会(全保協)、全国私立保育園連盟(全私保連)、日本保育協会(日保協)の九州、北海道、栃木などの地方組織です。

 全保協は全国社会福祉協議会の傘下団体で、全国の公・私立保育所の9割が加盟しています。全私保連は全国の7600の私立保育所を束ねます。日保協は保育士の研修や書籍発行などを行う社会福祉法人です。日保協の政治活動部門が独立した日本保育推進連盟(会長・谷垣禎一自民党総裁)は自民党の支持団体です。

 地方の動きを受け、「新システム」に反対してこなかった中央組織でも全保協が政府案に異論を唱えるなど、変化が生まれています。

 地方での運動の一端を担ってきた日本保育協会九州地区連合会の永野繁登会長(福岡・玉川保育園園長)は、「新システムでは、公が責任を持つ福祉としての保育は守られないとの危機感から動いてきた」と話します。

 九州の保育3団体は2010年以来、積極的に反対運動に取り組み、過去2度にわたる反対署名は毎回60万人分を超えています。

 北海道議会は昨年12月9日、「新システム」に実質的に反対する意見書を民主党議員も含めて全会一致で可決しました。

 九州の動きに触発され北海道の保育3団体も反対で一致結束しました。「新システム」撤回署名は、昨秋以降だけで16万6000人分(1月6日現在)、10年からの累計では約37万人分にのぼります。

草の根の運動

 「新システム」の根幹である保育の市場化政策は自公政権がまとめたものです。しかし、世論の広がりを前に道議会では自民党も反対に回り、民主党も意見書に賛同せざるを得なくなりました。日本共産党の真下紀子道議は、世論を広げたのは「問題の本質を広く知らせ、各地で議会請願にも取り組んできた保育団体連絡会の草の根の運動があったからです」と語ります。

 栃木県宇都宮市では、昨年12月の地元保育3団体による「新システム」反対集会に民主党の国会議員2人が出席。1200人の参加者を前に「皆さんの声を代弁する」と述べる一幕が生まれました。

 「新システム」の危険性をいち早く指摘し、反対運動を広げてきた保育運動団体の全国保育団体連絡会(全保連)は、労働組合や女性団体とともに「よりよい保育を! 実行委員会」を結成して昨年11月に過去最高の5000人規模の反対集会を成功させました。署名も昨年秋から年末までで250万人分を集めました。

 全保連の実方伸子事務局長は、「保育関係者だけでなく保護者や労組などの諸団体にも新システムへの怒りが広がってきた」と手ごたえを語ります。「地域から幅広い人たちとの共同をさらに広げ、子どもを守る大きな運動をつくっていきたい」と、世論の包囲で新システムを撤回させる決意を語ります。


 子ども・子育て新システム 保育の契約は、市町村と利用者との間から、施設と利用者の直接契約に変わります。保育を実施する市町村の義務はなくなり、市町村の役割は保育の必要性の認定と利用料の一部の補助だけになります。保育の供給量や質は市場原理にゆだねます。現行の公的保育制度を解体し、保育を市場化する仕組みです。

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