2012年1月20日(金)
米軍の低空飛行中止要請 高知知事
外務と防衛省に
高知県の北部、嶺北地方で米軍機の低空飛行が多発している問題で高知県は19日、外務省と防衛省に対して中止要請をしました。危機管理部の森部慎之助部長らが両省に出向き、尾ア正直知事の要請文を手渡しました。
米空母ジョージ・ワシントン(GW)が昨年11月22日に母港の横須賀(神奈川県)に帰港。それに伴って嶺北地方でもGW艦載機とみられる米軍機の低空飛行が繰り返されています。12月には22回、27機の飛来を本山町役場が確認しています。特に15日は9回、19日には6回記録。今年になって4日から始まり、11日までに9回も飛んでいます。
昨年11月29日には、本山町の嶺北中央病院で火災を想定して県の消防防災ヘリが屋上から患者を救出する訓練の最中に、低空飛行が行われました。県内に279カ所、オレンジルート(米軍機飛行ルート)沿いに16カ所のヘリ離着陸場(簡易を含む)があります。
県は昨年3月、医師や看護師が同乗して患者を搬送するドクターヘリを導入しています。嶺北地方では、同年40回以上運航しています。米軍機の低空飛行は、消防防災へリ、ドクターヘリの安全航行を脅かす危険があることなどから要請をしたものです。
要請では、度重なる中止要請にもかかわらず低空飛行が続けられていることは極めて遺憾として、「低空飛行訓練の実態を把握して、米軍関係当局に対し、低空飛行訓練の即時中止を強く要請していただくようお願いします」としています。
1991年以来、知事、総務部長名での中止要請は10回目です。