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2012年1月16日(月)

地方発

子育て応援 地域きらり

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 「地方分権」(自公政権)、「地域主権改革」(民主党政権)といいながら、住民福祉の切り下げ、地方自治や地域経済破壊がすすんでいます。そうしたなかでも、小さくてもきらりと光る自治体をと子育て支援にがんばる岡山県奈義(なぎ)町と埼玉県滑川(なめがわ)町のリポートです。


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人口急増 町が支える

埼玉・滑川町

 滑川町は、60%が丘陵地で人口1万7000人の町です。子育て支援に力を入れ、子どもの医療費は通院・入院とも高校3年生まで無料、学校給食も幼稚園から無料化し、出産祝金制度を実施しています。

 土地区画整理事業がすすむ町南部地域では、つきのわ駅を中心に人口が急増、2010年4月には三つ目の月の輪小学校が開校しました。10年の国勢調査で、人口増加率が県内2位、出生率で同1位を記録しました。

広がる医療費無料

 03年、町議会で「少子化傾向を食い止めるにはどうしたらよいか」という議論の中で、第3子以降30万円を支給する出産祝金制度を創設しました。その後、該当者が増え07年から20万円になったものの、制度は継続されています。

 現町長の吉田昇氏が、02年の町長選立候補公約のなかで、当時は小学校3年生までだった子ども医療費無料制度を高校3年生までにすることをうちだしました。

 この時点で高校3年生までの医療費の無料化をおこなっている自治体は近隣でもなく、私は当選した吉田町長に考えをただしました。町長は「今すぐ高校3年生までの実現は無理だが、少しずつでも対象年齢の引き上げをおこなっていきたい」と答弁しました。

 10年の町長選では、吉田町長が「早期実現」を公約に掲げて当選しました。私が、町長選挙後の初の議会で質問したところ、町長は「新年度から実施をしていきたい」と答弁。11年4月から実施されることになりました。

給食も幼稚園から

 学校給食について私は、10年3月議会で、払いたくても払えず滞納する家庭が増えていることから、本来義務教育にかかる費用は国が負担するのが原則だから、せめて軽減するよう要望しました。

 町長選では、現職町長と新人の候補者がともに「学校給食の無償化」をうちだし、現職町長はさらに、「幼稚園からの無償化」を公約。現職町長の3期目の当選で、幼稚園からの学校給食の無償化も11年4月から実施となりました。

 吉田町長は「子育て支援にとりくむのは自治体の役割です。未来をになう子どもたちにつらい思いをさせてはいけない」と語っています。

 「子どもが高校生になったが、さっそく歯医者にいかせることができました」など、喜びの声がたくさん届いています。(埼玉県滑川町議・上野憲子)


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財政の確立も同時に

岡山・奈義町

 奈義町は、岡山県の東北部に位置し、鳥取県に接する県境の町。標高1255メートルの那岐山(なぎさん)の裾野に広がった、人口、6300人余りの小さな農村です。

 「平成の大合併」の嵐が吹き荒れていたとき、住民投票を行い、圧倒的多数の町民の合併反対の声をもとに、町づくりを進めています。また、「全国小さくても輝く自治体フォーラムの会」に加わり、花房昭夫町長は、理事として頑張っています。

高校通学費助成へ

 住民投票から9年がたちこの間、住民サービスを充実させてきました。中学校給食を実現し、この4月からは、高卒までの医療費が無料(入院、通院とも)になり、また、高校の通学費支援・就学支援の助成金を支給する予定となっています。

 奈義町は、この間、財政の“健全化”を図りながら、同時に、子育て支援、老人対策、安全対策など住民サービスの充実を進めてきました。財政“健全化”は、往々にして、住民サービスの後退を招く場合がありますが、奈義町では、サービスの後退はさせないことを、合併論議のときに決意し取り組んできた経緯があります。

 大型事業は抑制し、福祉(ソフト事業)にお金を回す、新たな借金はつくらない、この姿勢が大切だったと思います。住民サービスを充実させながら、起債(借金の残高)は約6億円減らし、財政調整基金(積立金)は約8億円増やしました。

住民と党の奮闘で

 こうした町づくりを進めることができたのは、町民の皆さんの声を力に、議会内外での日本共産党などの奮闘が加わった結果だと考えています。

 「高校生の通学費の補助も出るようになるし、高卒までの医療費も無料になる。子育てに対する町の気持ちが本当にありがたい」と、中学生の子を持つお母さんはいいます。

 花房町長は、「小さくても、ではなく、小さいからこそできる」と常々強調しています。

 奈義町は今、福祉の町づくりに加え、里いもの特産化など産業振興にも力を入れ、きらりと光る町づくりに向け奮闘中です。(岡山県奈義町議・森藤〈もりとう〉政憲)


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