2011年12月14日(水)
東京外環道着工めざす
国交省 来年度予算案に計上へ
国土交通省は、本体工事に入れないできた東京外環道の練馬―世田谷16キロについて、来年度、トンネル工事に向けて本格的に着手する方針を明らかにしました。同省の松原仁副大臣が12日の会見で述べたものです。必要な予算を来年度予算案に計上します。
同区間は地下40メートルの大深度にトンネルを掘る計画で、地下部分の事業費だけで1兆2800億円、地上部も含めると「1メートル1億円」を超す不要不急の大型公共事業です。周辺環境も悪化するため、地元住民は強く反対しています。
同区間は、自公政権下の2009年4月に国交相の諮問機関である国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で事業化が容認されました。有料高速道路建設の財源については、小泉政権時代の高速道路民営化以降、税金は投入しない建前でしたが、同会議では税金と道路会社の負担による「合併方式」での建設とされました。
民主党は「コンクリートから人へ」を掲げて合併方式を批判。政権交代直後に同方式のとりやめを打ち出し、予算もほとんど付けませんでした。
9日の「高速道路のあり方検討有識者委員会」(国交相の諮問機関)の報告書は、大都市の環状道路整備を「最優先課題」とし、道路会社の負担のほかに税金も活用するよう求めました。
松原副大臣の発言は同報告書を受けたものです。有料高速道路整備に税金を使わないという原則をくつがえすもので、大型公共事業推進の立場を示しています。