2011年12月8日(木)
「ダーバンでの前進ぜひ」
COP17 ハイレベル会合が開幕
【ダーバン=山田芳進】当地で開かれている国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)では6日、各国の首脳や閣僚が参加するハイレベル会合が始まりました。開幕式の各演説では、科学的データが警告する温暖化がもたらす危機が強調され、解決に向けた「ダーバンでの前進」が訴えられましたが、被害国からは「これ以上待てない」と悲痛な叫びが聞こえました。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、ダーバンにおける画期的な成功への期待については各国を襲う経済危機や各国間の政治的立場の違いから、「現実的でなければならない」としつつ、それらが前進を妨げるものであってはならないと指摘。同事務総長は京都議定書について、「それだけで問題を解決するものではないが、包括的枠組みを作る基礎になるものだ」と述べ、第1約束期間の期限が切れる2013年移行の第2約束期間の設定の課題について「入念に検討することを強く求める」と訴えました。
一方、温暖化の影響をもっとも受けている地域の代表からは、一刻も早い解決を求める声が上がりました。小島しょ国連合(AOSIS)代表国グレナダのフッド外相は、「われわれは消滅するためにここに来たのではない」と強調。「京都議定書第2約束期間の設定なしでは帰ることはできない」「包括的枠組みづくりに向けたマンデート(枠組みや内容の設定)が、ここでの最優先課題でなければならない」と述べました。