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2011年11月11日(金)

第3次補正予算案に対する

笠井議員の反対討論

衆院本会議

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 10日の衆院本会議での笠井亮議員の反対討論を紹介します。


 日本共産党を代表して2011年度第3次補正予算3案に反対の討論を行います。

復興名目の増税

 第一は、復興財源の確保を名目に庶民への大増税を押し付けようとしていることです。

 本補正予算は、財源の大部分を復興債の発行によって確保するとしていますが、その償還財源は所得税などの増税によるものです。個人住民税などの増税と合わせ、個人や中小業者に対して8・8兆円もの大増税を押し付けます。これらの庶民増税は被災者にも容赦なくふりかかるものです。

 一方、大企業はどうか。法人税の実質5%減税を恒久的に行い、はじめの3年間に限って、減税分をはるかに下回る付加税を課すだけです。付加税が課される3年間についても、大企業は減税だけが続くのです。野田総理は、「連帯して負担を分かち合う」といいながら、庶民には増税、大企業には減税という財源策であり、断じて認めるわけにはいきません。

 そのうえ、産業空洞化対策を口実にして企業の立地補助金を増額するなど、大企業支援策を盛り込んでいることも重大です。

東電救済枠拡大

 第二は、東京電力救済スキーム(枠組み)である原子力損害賠償支援機構法に基づき、機構に資金拠出するための交付国債の発行限度額を2兆円から5兆円に拡大していることです。

 原発事故の賠償責任は第一義的には東電にあります。ところが機構法は、東電を絶対に債務超過にさせないために、公的資金を投入して東電を支援するものです。政府は約9000億円もの資金投入計画を認定しましたが、原発災害の賠償・除染の財源は、東電をはじめ電力業界による原発と核燃料サイクル推進のための積み立てから拠出すべきです。原子炉メーカーなど、原発ビジネスを推進し巨額の利益を上げてきた「原発利益共同体」に属する大企業にも、資金の拠出を求めるべきです。

 賠償は、自主避難者を含め全面的賠償を東電に行わせるべきです。また、線引きせず徹底した除染が必要であり、本補正予算の除染費用2400億円は、全く不十分といわなければなりません。

生業の再建支援

 次に、復興予算の内容についてです。

 大震災からの復興は、被災者一人ひとりの生活と生業(なりわい)の再建が基本であり、それに対して国が全面的な支援を行うことが不可欠です。日本共産党はこの立場でさまざまな提案を行ってきました。

 本補正予算には、被災者・被災地の要求を反映した予算や、地方負担の軽減などが盛り込まれていますが、こうした予算を被災者の生活と生業の再建に生かすためには、被災者生活再建支援金の支給金額と対象を拡大することをはじめ、被災者、被災業者などに対する直接支援を抜本的に強化することが必要です。

 復興財源は庶民増税なしに確保することが可能です。「思いやり予算」などの米軍関連経費や政党助成金の廃止、法人税減税や証券優遇税制などをやめることで年間約2兆円の財源を生み出し、財源を確保すべきです。

TPP参加問題

 最後に、野田総理がTPP交渉への参加表明をしようとしていることは、断じて許されません。TPP参加は、国民への食料の安定供給を土台から崩し、食や健康、暮らしの安全をまもる基準が撤廃され、金融、保険、医療などの分野へ外国企業が参入するための規制緩和、労働者の自由移動など、日本経済のあらゆる分野に影響をあたえ、国民の暮らしを破壊するものです。復興の最大の妨げになることも明らかです。

 一昨日(8日)、両国国技館で6000人集会が行われました。国民的な怒りと不安が広がっています。野田総理は、この国民の声を重くうけとめて、TPP交渉参加をやめるべきです。


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