2011年11月10日(木)
貧困拡大、対策急げ
全国会議、日弁連が見解・声明
生活保護受給者数が205万人超で過去最多(7月)と厚生労働省が発表したのを受け、生活保護問題対策全国会議(代表幹事・尾藤廣喜弁護士)は9日、東京都内で記者会見を開き、「利用者数の増加ではなく貧困の拡大が問題である」との見解を発表しました。この見解には、全国生活と健康を守る会連合会や反貧困ネットワークなど60団体が賛同しています。
尾藤弁護士は、生活保護利用者数増加の背景として、賃金や年金、雇用保険の受給率がいずれも低すぎるなどの問題が重層化していると指摘。「年金の給付額を上げ、雇用保険の適用を広げ、賃金の引き上げをし、子どもに対する社会保障施策の充実がなければ、利用者数を減らすことはできない」と強調しました。
埼玉県内で生活保護を受けている男性(56)は1年半、求職活動を続けているといいます。「これまで月に30件ほど連絡を取っても、面接までたどり着いたのは1回だけだ」と働きたくても働けない現状を訴えました。
日本弁護士連合会も受給者増加の背景について見解と同じ認識を示した上で同日、「生活保護制度のより一層の活用を求める」という宇都宮健児会長の声明を出しました。