2011年11月8日(火)
抗議の中を戦車走行
ごう音響かせ公道に約60両
北海道
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北海道の東千歳駐屯地に所属する陸上自衛隊第7師団は6日深夜から7日未明にかけて、公道での90式戦車の走行を強行しました。
大分県の陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場で10日から実施される協同転地演習に参加するために行ったもので、「動的防衛力」を構築するとして地球規模での海外派兵の推進を打ち出した「新防衛大綱」の具体化です。
走行したのは、90式戦車4両のほか、89式装甲戦闘車やジープなど約60両。午後9時に同駐屯地を出発し、国道・道道・市道を走行してフェリー乗り場の苫小牧西港まで移動しました。
同駐屯地から1・4キロ離れた千歳市流通3丁目の市道では、千歳平和委員会と苫小牧港の軍港化阻止実行委員会、安保破棄道実行委員会のよびかけで市民や民主団体の構成員ら約50人が集結。午後10時35分ごろ、「ゴー」というごう音とともに現れた重さ50トンの90式戦車が通過すると、「戦車は公道を走るな」と抗議の声をあげました。通過時の騒音は107デシベルでした。
一方、89式装甲戦闘車1両がエンジントラブルを起こし、駐屯地から4・7キロの国道337号上で停車。7日午前1時37分にトレーラーで回収されるまで、同装甲車を含む16台ほどの長い車両の列ができました。これに代わる装甲車が港まで運ばれました。
抗議行動に参加した同実行委員会の斉藤秀夫事務局長(64)=苫小牧市=は「絶対に許されない。走行させる必要はあるのか」と怒りの声をあげていました。