2011年11月1日(火)
介護保険
大企業労働者に肩代わり
国庫負担分 厚労省が提案
厚生労働省は31日、40〜64歳の現役世代が医療保険を通じて負担している介護保険料(介護納付金)の負担方法を見直し、大企業の労働者や公務員の負担を増やして、国庫負担分を肩代わりさせる案を提示しました。同日の社会保障審議会介護保険部会に示したもの。
これにより、大企業の労働者が加入する健康保険組合(健保組合)の1人当たり介護保険料(2012年度から14年度の平均)は、月4900円から900円増の5800円(労使折半)になる見込みです。
この見直しで、健保組合や共済組合(公務員が加入)の負担は1300億円程度増えます。中小企業の労働者が加入する健康保険(協会けんぽ)の負担が軽くなる分、国は現在、協会けんぽに出している国庫負担をなくします。
論議がまとまれば、来年の通常国会に関連法案を提出する方針。
介護保険では、給付費の約3割を現役世代が負担。所要額を現役加入者の総数で割って保険料を算出したうえで、各健康保険が加入者数に応じた納付金を納めています。
1人当たりの保険料は給与水準にかかわらず同額なので、中小企業労働者の負担を軽減するため、協会けんぽに国庫補助を行っています。
見直し案では、国民健康保険を除く各健康保険の負担を、加入者の平均年収に応じた負担(総報酬割)に変えます。大幅な負担増を避けるため、総報酬割を3分の1だけ導入する案も示しました。その場合、健保組合の1人当たり介護保険料(同)は300円増の5200円になる見込み。国庫負担は430億円削減されます。