2011年10月27日(木)「しんぶん赤旗」
70〜74歳患者負担 倍に
厚労省提案 薬の全額負担も
厚生労働省は26日の社会保障審議会医療保険部会で、70〜74歳の患者負担を、かかった医療費の1割(現行)から2割に倍増する案を示しました。また、医師が処方する薬の患者負担(現行は現役世代3割)について、市販品に似た薬がある場合は保険外(全額自己負担)とする案を示しました。
70〜74歳の患者負担については、特定の時期に70歳になる人から順次2割負担へ引き上げ、5年かけて70〜74歳の全員を2割負担にする計画です(「現役並み所得者」は現在も3割)。引き上げの開始時期は明示しませんでした。
70〜74歳の患者負担増は2006年に小泉内閣によって医療改悪法に盛り込まれました。08年の後期高齢者医療制度導入と同時に実施する予定でしたが、国民の反発で福田内閣が凍結。毎年、約2000億円の国費を投入し1割負担に据え置いてきました。2割への引き上げは、自公政権でさえやれなかった改悪です。
薬の保険外しについては、薬の有用度に応じて患者の負担割合を変える例や、処方される薬の種類の数によって患者負担を増やす例も示しました。委員からは「国民の理解をえることは難しい」との反対意見が続出しました。
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