2011年10月18日(火)「しんぶん赤旗」
八重山教科書 育鵬社は史実歪曲
採択阻止へ全国から連帯
「育鵬社」発行の中学校公民教科書採択を止めようと17日、東京都内で、沖縄・八重山教科書問題10・17緊急連帯集会が開かれ、約130人が参加しました。主催は沖縄戦の史実歪曲(わいきょく)を許さず沖縄の真実を広める首都圏の会など3団体。
八重山地区(石垣市・竹富町・与那国町)では8月、公民教科書が現憲法を敵視する育鵬社版に決まりかけましたが、9月に3市町の教育委員13人全員が協議し多数決で育鵬社版を不採択とし、東京書籍版を採択しました。しかし、中川正春文部科学相が教育委員会の採択権限を侵害する発言を行うなど発言を二転三転させ混乱に拍車をかけています。
集会では、文科省への要請で急きょ上京した八重山の要請団の4人が報告。子どもと教科書を考える八重山住民の会共同代表の仲山忠亨さん(元石垣市教育長、元八重山高校校長)は、「子どもにいい教科書を与えるのは親、教師として当たり前のこと。民主的で平和を愛する子どもを育むには、育鵬社版をどうしても採択させるわけにはいかない」と発言。この運動が全国的課題であることを強調しました。
中学校の社会科教員は、「国民主権の日本で、天皇をたたえるつくりになっているなど育鵬社版は内容がひどすぎます。全国からの応援を心強く思っている」と話しました。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が連帯のあいさつで「20日から始まる国会で全力をあげて論戦に立ち向かいたい」と決意をのべ、社民党議員もあいさつしました。