2011年10月3日(月)「しんぶん赤旗」
「金次第」の保育困る
子育て新システム 東京集会開く
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保育を市場化し、区市町村の保育の実施義務をなくす「子ども・子育て新システム」に反対の声を大きく広げようと2日、東京都内で「子どもの笑顔と親の安心を守る東京集会」が開かれました。都内の保育所や幼稚園の職員、保護者ら770人が参加しました。
パネルディスカッションではジャーナリストの猪熊弘子氏がコーディネーターを務め、3人のパネリストが新システムの問題点を指摘しました。
帝京大学教授の村山祐一氏は「新システムでは自治体が保育実施義務を放棄し、営利目的の企業が親に直接給付される税金を保育料として徴収する。子どもの福祉を守る保育が金もうけに変わる」と話し、制度が根幹から変質することを説明。「政府は新システムで待機児問題が解決するように言うが、認可保育園を増設することが一番だ」と訴えました。
練馬区の保育園長は「新システムになれば園と保護者の直接契約になる。長時間保育を希望する高収入家庭の手がかからない子どもばかりを入園させる施設長や、非正規の職員が増えるだろう」と話し、「子どもを守り親の就労を保障する保育を続けたい」とのべました。
八王子市の私立幼稚園教諭は自然体験の保育実践を紹介。「新システムで幼稚園は残ることになったが、早朝保育や延長保育を実施するように迫られる」として、「新システムでは幼稚園も託児サービス産業に変質する。子どもの発達要求に合わせた行事や体験ができなくなる」と話しました。
学習会や国会請願署名を広げ、新システムに反対する運動を繰り広げようと提起するアピールを採択しました。