2011年9月30日(金)「しんぶん赤旗」

被災全医療機関に支援を

“病院つぶし”転換せよ

参院予算委 市田書記局長が質問


 日本共産党の市田忠義書記局長は29日の参院予算委員会で、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた岩手、宮城、福島3県の医療機関の復旧について国が差を設け、住民の命が脅かされている問題を取り上げ、すべての医療機関を支援すべきだと主張しました。野田佳彦首相は、全壊した病院の復旧について「柔軟に対応する」などと答え、従来の枠を超えた支援を表明しました。 (関連記事)


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(写真)質問する市田忠義書記局長=29日、参院予算委員会

厚労相 「知恵使い応援する」

 市田氏は、被災地で救われた住民が安心して住み続けられるためには、地域医療の復旧が不可欠だと強調。ところが、医療機関の復旧に補助金を出す「医療施設等災害復旧補助金」について、全壊した病院から一つも申請が出ていないことを告発しました。

 「なぜ全壊は申請がないのか」と市田氏がただすと、小宮山洋子厚労相は「その場で復旧することが条件」として、病院を新築する場合は対象外にしていることを表明。市田氏は、復旧が遅れ、入院機能がないために重症患者が亡くなるケースもあると迫ると小宮山厚労相は、「柔軟に対応して使えるようにする」、野田首相も「単なる原状復帰でなく柔軟な対応をする」と答えました。

 市田氏は、同補助金が公的医療機関のみが対象で、圧倒的多数の民間にはほとんど出ていない事実を示し、「公的病院と民間で差をつける必要があるのか。こういうのを血も涙もないというのだ」と追及。「国の政策医療(救急など)を担っているところには支援する」と開き直っていた小宮山厚労相も、「地元の人が困らないようあらゆる知恵を使って考える」「組み合わせなり新しい仕組みを考えるなりしっかり応援する」と言明しました。

 市田氏は、「選択と集約化」の名による医療構造改革で公立病院がつぶされ、大震災で壊滅的な打撃を受けたのに、復旧でも放置し差別されてきたと指摘し、「医療政策を転換することを強くもとめる」と強調しました。


患者負担無料の延長

市田氏要求に厚労相 「困らないよう判断」

 市田氏は被災者の患者負担無料化が来年2月に期限切れとなる問題をとりあげ、延長するよう求めました。

 市田氏は「仕事や収入の確保の道が見えないままで期限が切れれば大量の医療中断が発生して、命と健康が脅かされかねない」と主張。小宮山洋子厚労相は「被災地の状況などを踏まえて、困ることがないようにしっかり判断していきたい」と答えました。





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