2011年9月23日(金)「しんぶん赤旗」
首相が要員派遣表明
南スーダンPKO 施設部隊にも含み
ニューヨーク訪問中の野田佳彦首相は21日午後(日本時間22日午前)、国連本部で潘基文事務総長と会談し、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加について「司令部要員2人を派遣する用意を進めている」と表明しました。同時に、国連から要請のある陸上自衛隊施設部隊の派兵について「現地調査を行った上で結論を出したい」と説明しました。
7月に独立した南スーダンのPKOをめぐり日本政府は、8月に同総長から施設部隊の派兵を要請されていました。野田首相は公式に施設部隊派兵の検討を伝えたことになります。施設部隊派兵の可否については、現地調査を踏まえ、治安情勢やニーズなどを見極めてから最終判断する姿勢です。
野田首相は会談のなかで「日本の得意分野で新しい貢献をしたい」とも述べました。政府はスーダン分離前の2008年から国連スーダンミッション(UNMIS)に司令部要員を派遣。これまで地上部隊の派兵も検討してきましたが、治安情勢の厳しさから見送ってきました。
南スーダンは、石油権益の問題などで北部との紛争の火種を抱えたまま独立。国内では反政府武装勢力との戦闘が拡大しています。南スーダンのPKOの任務は、南北国境の監視活動や国内の反乱分子対策、武装解除など軍事的任務が中心です。
このため、自衛隊部隊の派兵にあたっては武器使用権限の拡大を求める声が強まっています。南スーダンへ陸自部隊を派兵することになれば、憲法違反の海外派兵の危険な拡大につながります。
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