2011年9月5日(月)「しんぶん赤旗」
保育の市場化も自公回帰
これが小宮山流“政治の歩き方”!?
「チルドレンファースト(子どもが主人公)」を掲げる民主党。子ども手当の撤回で、政権公約を投げ捨てた同党ですが、公約になかったことは強引に進めようとしています。
新内閣で厚生労働相に就任した小宮山洋子氏。就任後の会見では、消費税増税と一体になった社会保障「改革」をすすめるとのべ「子ども・子育て新システム」の導入に改めて意欲を示しました。
しかし、小宮山氏は政権交代直後の著書『私の政治の歩き方(3)政権交代編』で自公政権下の保育制度改変の議論に「うまくいくのでしょうか」と疑問を呈していました。自公政権での社会保障審議会特別部会の議論を、▽市町村が保育の必要性・量を判断する▽必要性が判断された者への例外ない受給権付与で需要を明確化する―考え方だと要約しています。
これはまさに氏が、厚労副大臣として進行役を務め、今度は大臣として進めようとしている「新システム」と同じ。議論の経過からみても、民主党政権の「新システム」は自公政権時代の検討をそのまま引き継いだものです。「うまくいくのか」という疑問は解消されたのでしょうか。
氏が著書で「すべての子の居場所づくりによい方法」として押し出す「幼保一体化」は、「新システム」の議論では、幼稚園団体の猛反対を受け早々に先送りしています。残るのは、自公政権が目指していた保育の市場化だけです。(由)
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