2011年9月4日(日)「しんぶん赤旗」

野田首相 前原政調会長 蓮舫行刷担当相

脱税絡み企業から献金

「返した」ですまない

資金提供の経緯 説明を


 野田佳彦内閣が発足しましたが、野田首相、蓮舫行政刷新・少子化・公務員制度担当相と、政権を支える民主党の前原誠司政調会長には、問題企業からの資金提供問題が横たわっています。それぞれ「返金した」などと釈明していますが、それではすまされません。


 巨額脱税事件で有罪判決を受けた人物の関係企業から、野田首相が80万円、蓮舫氏が120万円、前原氏が100万円の資金提供を受けていました。前原氏は、この人物について、「6、7年前からの知人を介して知り合った」とのべ、この知人を野田、蓮舫両氏にも紹介したと明らかにしています。

虚偽記載

 この問題企業からの献金が明らかになった発端は、前原氏の関連政治団体「まえはら誠司東京後援会」が2009年4月に開いた政治資金パーティーをめぐる虚偽記載でした。

 50万円分のパーティー券を実際に購入したのは、東京都千代田区のコンサルタント会社「メディアトゥウェンティワン」ですが、政治資金収支報告書には、会社名もその代表者名も、まったく違う記載でした。

 「メディア」社の取締役を2008年12月1日に辞任するまで務めていた実質的経営者は、04年5月、競馬予想の情報提供会社「ユー・エフ・ジェイ」の巨額脱税事件で逮捕され、有罪判決を受けた経歴の持ち主。また、1988年には、暴力団後藤組関係者に対する覚せい剤事犯集中取り締まりを実施していた静岡県富士宮署によって暴力団員とともに逮捕されたこともあります。

深まる謎

 前原氏は、ことし3月2日夜、収支報告書への虚偽記載が明らかになった際、「事務所の誤認による記載ミス。(パーティー券を購入した)会社名が事務所の名簿になく、パソコンで検索した画面の一つをそのまま記載してしまった」と弁明しました。しかし、会社名は、千葉県四街道市の類似した名前の映像制作会社で、代表者名は、東京都港区の同じく類似した名前の会社の代表者でした。

 会社名、代表者名を混在して虚偽記載するというのは、いかにも不自然で、実際の購入者名を隠すためではなかったのか、との疑惑が指摘されています。

 前原氏は今回、民主党代表選の出馬会見で、外国人献金について釈明。その際、「過去に脱税事件に関与した人物の関係会社から献金を受けていた問題は、すでに返金を済ませている」「初めて会う人に、国籍はどちらですか、元暴力団ですか、とはいちいち聞かない」とのべました。

 しかし、資金提供の経緯など背景に関する説明がなければ、疑惑は深まるばかりで、説明責任をはたしたとはいえません。

 野田氏、蓮舫氏とも、国会で「道義的観点から返金した」などとしていますが、説明責任が求められています。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp