2011年8月29日(月)「しんぶん赤旗」

先頭車両同士の連結部 隙間に転落防止ガード設置

障害者と共産党の運動で一歩前進


JR西、試験的に

写真

(写真)先頭車両同士の連結部分に取り付けられた転落防止ガード=JR大阪駅

 転落事故が相次ぐ駅ホームの安全対策で、JR西日本が先頭用の車両同士の連結部にできる隙間に板状の転落防止ガードを試験的に設置したことが分かりました。7月10日から1編成(7両)に取り付け、東海道線などを半年間走らせます。現地調査や要請を重ねた日本共産党と視覚障害者の運動で一歩前進しました。

 JR西によると、ガードは縦32センチ、横70センチで先頭車両の下部に前後計4枚つけられ、約100キロの重さに耐えられます。連結部の隙間に注意を促す音声警報装置も今年度から導入。8月24日現在で特急車両3編成と新快速などに使われる車両12編成に装備されています。

 先頭車両は、行き先が途中で分かれる地点まで一緒に運行する場合、車両同士が連結(併結)されます。国交省はガイドラインで転落防止ガードの設置を義務付けているものの、新造車や改造車の常時連結部分に限定し、既存車両は努力義務どまりです。JR西は、併結の場合は設置義務がないことや「構造上難しい状況だ」とし、後回しにしていました。

 常時連結の中間車両間の転落防止ガードは、近畿圏都市部の主要路線で昨年度中に設置完了、新幹線車両も含め4538両に取り付けたといいます。

 しかし、JR西では先頭車両同士の連結でも途中で切り離さない編成が多くあります。

 日本共産党や障害者らは、“常時連結”状態で設置義務があると追及。技術開発し設置を進めるよう求めてきました。

 「一部の私鉄は危険な先頭車同士の連結部分でのガード設置を少しずつ進めており、JR西もやっと実施したかという気持ちです」と話すのは約20年前から要請してきた「大阪視覚障害者の生活を守る会」事務局の千田勝夫さんです。「一歩前進ですが、半年待たずに設置を増やすべきです。特にJR西は先頭車同士の連結が多い。安全対策を進め“落ちないホーム”をつくらないといけません」





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