2011年8月29日(月)「しんぶん赤旗」

保険料17%も値上げ

後期医療 東京広域連合が検討


 東京都後期高齢者医療広域連合が検討している2012〜13年度の後期高齢者医療制度(75歳以上などが対象)の保険料のたたき台が明らかになりました。保険料抑制のために現在行っている自治体からの一般財源を投入した場合でも、1人当たり平均保険料は11年度比で1万4265円(約17%)もの大幅値上げになると試算。投入しない場合では2万1600円(約26%)もの引き上げになるケースも示しました。75歳以上人口の増加と医療費の増大によって、年々保険料が上昇する制度の根本的な欠陥が改めて浮き彫りになりました。

 東京都広域連合の11年度の平均保険料額は8万4527円(加入者全員に課せられる均等割3万7800円、所得割7・18%)です。たたき台は、12〜13年度では1人当たり医療費が年3・5%伸びるなどと想定。葬祭費の負担軽減など一般財源を投じる特別対策や都独自の所得割軽減策を継続する場合で計算しました。保険料の算定式は均等割が年4万2500円(現行から4700円増)、所得割が9・04%(1・86ポイント増)となり、平均保険料額は9万8792円。11年度比で1万4265円(16・9%)の増額になります。

 一般財源による特別対策を行わない場合は均等割4万5600円(7800円増)、所得割10・00%(2・82ポイント増)で平均保険料額は10万6127円になり、2万1600円(25・6%)ものアップとなります。

 年金収入211万円の単身世帯の場合、保険料負担は年6万8700円と1万100円の負担増。同年金収入の2人世帯では9万4200円(1万3000円増)になるとしました。

 都広域連合議会の森戸洋子議員(日本共産党小金井市議)の話 広域連合が検討している保険料率案は、大幅な値上げとなるもので、高齢者の生活実態から見て、とうてい容認できません。

 民主党政権は年齢で高齢者を差別する後期高齢者医療制度の廃止を公約したのですから、直ちに廃止すべきです。廃止の先送りや看板だけ「国保」にかえて制度を温存することなどは言語道断です。

 大本には医療費の給付が増えると高齢者の負担増になるという、制度自体の持つ矛盾があり、高齢者の負担増を避けるため国と都の支援を思い切って増やす必要があります。

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