2011年8月24日(水)「しんぶん赤旗」
自衛隊追加派遣を批判
衆院参考人質疑 赤嶺氏が主張
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衆院海賊テロ特別委員会は23日、ソマリア沖で深刻化する海賊問題について、参考人質疑を行いました。
日本船主協会の芦田昭充会長、日本郵船の諸岡正道代表取締役らが、海賊被害がアデン湾を超え、ソマリア東方沖やアラビア全域にまで広域化している実態を発言。自衛隊の護衛艦や補給艦の追加派遣とともに、日本籍船への自衛官や海上保安官、民間武装警備員の乗船を要望しました。
日本共産党の赤嶺政賢議員は、「海賊の攻撃をよりエスカレートさせるだけだ」と述べ、ソマリアの内戦終結と貧困打開という根本問題に取り組む必要性を強調しました。
独協大学の竹田いさみ教授は、民間武装警備員の乗船について、日本の法体系を変えるため「非常にハードルが高い」と指摘。根本的解決のため、(1)海賊を周辺国で裁判しソマリアの自治政府が収監する国際的な法執行体制を整備する(2)自治政府への支援で産業育成・雇用創出し、海賊を生み出すメカニズムをなくす―ことを提起しました。
貧困打開策に関する赤嶺議員の質問に答えて、同氏は「ソマリア沖は良好な漁場なので、漁業の起業などで国際機関が自治政府とタイアップするメカニズムをつくる」として、水産業の育成をあげました。
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