2011年6月21日(火)「しんぶん赤旗」
仕事きつい 賃金安い…
看護師「やめたい」80%超
自治労連が調査
日本自治体労働組合総連合(自治労連)は「看護職員の労働実態調査(中間報告)」を発表しました。全国の自治体病院で働く看護師や保健師ら9167人のアンケートを集計したもので、人員不足による厳しい労働のため、「辞めたい」と思っている看護師が80%を超えました。
調査によれば、「仕事をやめたいと思いますか」との問いに、「いつも思う」「ときどき思う」があわせて80・5%に達しました。その理由(複数回答)として最も多かったのが「人員不足で仕事がきつい」の37・2%。つづいて「賃金が安い」29・5%、「休みがとれない」29%、「夜勤がつらい」28・3%となりました。
仕事量では、前年と比べ、「大幅に増えた」「若干増えた」があわせて63・2%。「仕事上ストレスを感じる」ものとして、トップが「仕事の量」で40・3%、次いで「夜勤」37・2%、「医療事故に対する不安」37・2%と続きました。
人員不足にさらに仕事量が増え、ストレスがたまる循環になっています。
今回の調査では、自治体病院で2交代勤務が増えていることから、3交代勤務と2交代勤務の比較をしています。
その結果、「3日以上の連続休日」があったと回答したのは、3交代で52%、2交代51・6%。年休取得では、10日以下と回答したのは、3交代で60・6%(そのうち「なし」6・4%)、2交代53・1%(そのうち「なし」4・3%)でした。休日が取得しやすいとの理由で導入された2交代勤務は、3交代と大きな差がないことが明らかになりました。
2交代では、夜間勤務の拘束時間16時間以上が74・5%となり、3交代では勤務間隔が、「4時間未満」22・1%、「6時間未満」40・5%と、短いという問題点が明らかになりました。
厚生労働省で会見した柴田英二副委員長は、「看護師の要求として、夜勤回数の制限、休日の増加、待遇改善が多い。人員増をはかり、短時間労働をつくりながら、夜勤の改善につなげていきたい」と語りました。
集約期間は2010年10〜12月です。自治体病院は全国に916病院あります(2009年10月1日現在)。