2011年5月28日(土)「しんぶん赤旗」

経済理由の退学減る

私立高校 全国私教連が調査


就学支援金制度導入の効果か

 2010年度に学費が払えないなど経済的な理由で私立高校を退学した生徒の割合が、この13年間で過去最低になったことが26日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)が発表した調査結果でわかりました。同年度からはじまった私立高校生にたいする就学支援金制度の導入が影響したとみられます。

 調査は全国私教連加盟組合のある29都道府県324校(生徒数計26万4576人)を対象に実施。経済的理由で退学した生徒数は143人で対象の0・05%、09年度の0・09%を下回り1998年度の調査開始以来過去最低となりました。

 背景について全国私教連の永島民男委員長は、「10年度からはじまった国の就学支援金が各県の授業料補助制度を下支えしたためなどによる」と語りました。

 一方、3カ月以上の学費滞納者の割合は0・51%で、08年度の0・72%、09年度の0・62%とほぼ同じ割合になりました。

 就学支援金の実施で滞納・中退は改善されたかとの問いには、回答した258校のうち、46・5%にあたる120校が「大幅に改善された」「ある程度改善された」と回答。「あまり改善されていない」は26・7%、「この程度では滞納・中退は増える」が9・3%でした。

 永島委員長は「支援金が出たことで、これまで出していた補助金を減らした自治体が多い。県が今までどおりの減額制度をやっていれば効果は大きかったと思う。国と県がしっかり連携していってほしい」とのべました。


 就学支援金 2010年度から公立高校の授業料無償化と同時に始まった私立高校への授業料助成制度。生徒1人あたり年額11万8800円(月額9900円)を限度に、国が授業料の一部として学校に助成。生徒の授業料が減額されます。授業料以外の施設整備費などの学費は対象となりません。

 年収250万円未満程度の世帯の生徒は2倍、年収250万円から350万円未満程度の世帯の生徒は1・5倍に加算されます。





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