2011年5月26日(木)「しんぶん赤旗」
「君が代」条例案を提出、府議会
「大阪維新の会」教職員に起立強制
大阪府の橋下徹知事が代表の地域政党「大阪維新の会」府議団は25日、府内の公立学校で「君が代」斉唱時に教職員に起立を義務付ける条例案を開会中の5月議会に提出しました。「維新の会」は府議会で過半数を占めており、可決されれば「日の丸」「君が代」を義務付ける条例は全国初となります。条例案提出には、府民や教育関係者などから「憲法違反」「子どもたちへの強制につながる」など、撤回を求める声が急速に広がっています。
名称は、「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例」。アジアへの侵略戦争の旗印となった「日の丸」、天皇崇拝の軍国主義教育を確立・強化するなかで国民に押し付けた「君が代」を斉唱することを、「次代を担う子どもが伝統と文化を尊重し」「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」と強調。「府立学校及び府内の市町村立学校における服務規律の厳格化を図る」としています。
条例案には罰則規定はありませんが、橋下知事は9月府議会で違反者を免職にする条例をつくるとしています。
これに対し、大阪教職員組合、大阪府立高等学校教職員組合、大阪府立障害児学校教職員組合は各委員長の連名で声明を発表。府民に憲法違反の条例の実態を伝え、「日の丸・君が代」の押し付けを許さない運動をすすめるとともに、共同行動を広げて撤回まで断固たたかおうと呼びかけています。