2011年5月20日(金)「しんぶん赤旗」

仮設診療所設置や原発補償

“対策早く”医師ら切々

保団連、国会議員に訴え


 全国保険医団体連合会は19日、国会内で「東日本大震災と地域医療の復興」をテーマに緊急意見交換会を開きました。4月につづくもの。各党の国会議員らが参加。日本共産党からは高橋ちづ子衆院議員、田村智子参院議員が参加しました。


 住江憲勇会長があいさつし、「前回提起した、仮設住宅の建設をはじめ早急な生活改善、仮設診療所や福祉避難所の設置などの対策は遅々として進んでいません。2次補正予算で医療、社会保障をきっちり手当てすることが喫緊の課題です。2次補正の先送りは断じて容認できません」とのべました。

 大きな被害を受けた5県の保険医協会が現地の状況を報告。「被災した大多数の医師が診療を再開したいと願っているが、特に若い開業医や歯科医師が多額のローンを抱え、苦しんでいる。二重ローン、二重リースの問題をぜひ何とかしてほしい」(岩手)、「被災者は窓口負担なしに医療を受けられるが、それが来年2月29日まで延長されたことが現場に届いていない。広報の早急な改善を」(宮城)などの声があがりました。

 福島県双葉郡医師会の井坂晶会長は、原発事故で強制的に避難を強いられ、20キロ圏内進入禁止のため避難所で住民の救護にあたっていることを紹介。「仮設診療所がぜひとも必要だと県に要請しているが、予算は3000万円だけ。それでいったい何ができるのか。生活、住まい、すべてを失い、先が見えない長期戦で肉体的精神的疲労ははかりしれない。補償の問題も非常に重要だ」と、重点的な支援を訴えました。

 最新の政府広報「生活再建ハンドブック」(12日発行)に、保険証がなくても受診できることや、窓口負担免除の延長などが記載されていないことを指摘し、「厚生労働省は本気で被災者を救う気があるのか」と政府の姿勢を問う声もあがりました。

 田村議員は、「被災者がこの地でがんばろうと希望がもてる方向で、2次補正を早く出さないといけない。他党とも協力して求めていきたい」と話しました。





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