2011年5月20日(金)「しんぶん赤旗」
子の利益明確化 重要
井上氏 虐待防ぐ民法改正案
参院法務委
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日本共産党の井上哲士議員は17日の参院法務委員会で、虐待をはじめ子どもの利益を害する場合に親権を一時停止できることなどを盛り込んだ民法等改正案について、「子の利益の尊重がより明確化されたことは重要だ」と指摘しました。
児童虐待などの場合に、これまで「親権喪失」制度がありましたが、活用しにくかったため、改正案は新たに親権の一時停止制度を盛り込みました。また、施設入所中の児童の生命・身体の安全確保のために緊急の必要があるときには、「親権者の意向にかかわらず施設長が必要な措置をとることができる」としました。
井上氏は、こうした親権の制限の制度が適切に活用されるよう、法施行前の早い時期にガイドラインを作成し地方自治体や医療機関などへ周知するよう要求。厚生労働省の石井淳子官房審議官は、「ガイドラインは法案成立後、現場の専門家などさまざまな関係者に入っていただき検討する。早く用意し、いきわたるよう工夫したい」と答えました。
井上氏は、親子関係にはさまざまなケースがあり、柔軟に対応するためには、すべての親権を奪わない“一部”停止の制度も必要だと提起しました。
江田五月法相は、「一部停止の制度が必要との主張があるのは事実だ」と述べながらも、制度が複雑になるため見送ったと答弁。井上氏は、改正後の運用状況などを見ながら、「重要な検討事項とすべきだ」と主張しました。