2011年5月12日(木)「しんぶん赤旗」
泡瀬干潟 埋め立て見直しを
紙氏質問 担当相「検証する」
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日本共産党の紙智子議員は11日、参院沖縄北方特別委員会で、貴重な自然が破壊される沖縄・泡瀬干潟(沖縄市)の埋め立て計画を取り上げ、東日本大震災の津波と液状化被害を踏まえ「液状化に弱いことが明白な埋め立て事業を従来どおり進めることは許されない」として計画の見直しを要求しました。枝野幸男・沖縄北方担当相は、事業計画の手続きは法に基づき進めるとしながらも、「津波と液状化の二つのリスクを考慮して(計画は)改めて検証する」と答弁しました。
紙氏は、仲座栄三・琉球大学工学部教授(島しょ防災研究センター併任教員)や中村衛同大教授が、「今回の大津波や1771年の明和の大津波(八重山地震)を踏まえれば、沖縄本島で10メートルを超えた津波を想定し防災計画を見直す必要がある」(仲座氏)と指摘していることを紹介。政府が4月26日、震災前の計画変更を沖縄県に申請したことをあげ、「1000億円以上の総事業費に加え、地震に弱い埋め立て地へさらに巨費を投じ造成する必要があるのか。立ち止まって申請を取り下げるべきだ」とただしました。
枝野担当相は、「震災の事態を検証し、コストとリスクについては沖縄市に改めて評価してもらう。国としても評価したい。経済的合理性があるのかどうかは沖縄市と相談する」と答えました。
紙氏は、「泡瀬の自然をいかした観光、振興計画こそ重要だ」と主張。枝野担当相は、「沖縄の豊かな自然環境を十分にいかすことが重要で、干潟もその大きな要素だ」と述べました。
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