2011年4月13日(水)「しんぶん赤旗」
検察全体の体質触れず
井上議員 最高検の“検証”批判
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日本共産党の井上哲士議員は12日の参院法務委員会で、大阪地検特捜部主任検事の証拠改ざんによる村木厚子さん(厚生労働省局長=当時)のえん罪事件に対する最高検察庁の検証は極めてずさんだとして、江田五月法相の認識をただしました。
井上氏は最高検の検証文書について、元担当主任検事個人や大阪特捜部の特殊性だけの問題にわい小化し、検察全体の体質については、もっぱら「指導及び決裁の在り方」の問題に言及しているだけだと批判しました。
また、検事の意識調査で26・1%が「実際の供述とは異なる特定の方向で調書の作成を指示された」と回答したなどの実態を示し、「検察全体の構造的問題、体質が問われているとの認識が最高検の検証には欠けている」とただしました。
江田法相は、検察当局は大阪地検以外でも同様の問題が起こりうると認識しているとしつつ、「検証結果に指摘のような不十分な点がたしかにある。最高検といえども、身内にメスを入れるのが不十分だったという外部の指摘は当たっている」と認めました。
井上氏は、最高検が検証にあたって村木さん本人の意見さえ聴取せず、えん罪のストーリーに沿った供述調書が組織的に大量につくられた原因については「反省もなければ分析もない」と批判。さらに踏み込んだ検証が必要だと主張しました。
また井上氏は、えん罪防止のためにも、録画などによる取り調べの全過程可視化が必要だと述べました。
江田法相は、可視化に弊害もあるとの意見も示しつつ、最高検に指示した一部事件の取り調べの全過程可視化の試行を踏まえて検討したいとの考えを示しました。