2011年3月5日(土)「しんぶん赤旗」
脱税関連企業が購入
前原外相パー券
前原誠司外相の関連政治団体をめぐるパーティー券購入の虚偽記載問題で、実際に購入していたのは巨額脱税事件で逮捕された人物の関係会社だったことが、4日までにわかりました。(「政治とカネ」取材班)
野田・蓮舫氏にも紹介
問題の政治資金パーティーは、「まえはら誠司東京後援会」が2009年4月、東京都内のホテルで開いた「東京後援会総会」。総務相に提出された政治資金収支報告書によると、約1817万円を集め、20万円超の大口購入先として、宗教法人と4企業の5団体が記載されていました。このうち、最多の50万円の購入先となっていた千葉県四街道市の映像制作会社が虚偽の報告でした。
同会は3日、総務相あてに、この50万円の購入先を、映像制作会社と類似した名前の「メディアトゥウェンティワン」という東京・千代田区の経営コンサルタント会社に訂正する届け出をしました。
この「トゥウェンティワン」社は、04年5月に、法人税約2億3700万円を脱税したとして東京地検特捜部に逮捕された競馬予想の情報提供会社「ユー・エフ・ジェイ」の実質的経営者の男性の関連会社。登記簿謄本によると、男性は08年12月まで取締役に名前を連ねていました。
前原氏は3日の記者会見で、実際に購入したのは、この男性が会長を務めていた企業と明らかにしたうえで、「道義的責任をもって全額返却したい」とのべました。
また、男性と知り合った経緯について、「6、7年前に、議員会館の事務所を訪ねてきたある方が『応援したい』と紹介した方の中に含まれていた」とのべました。知り合ったのは、男性が脱税容疑で逮捕された時期の前後だったことになります。
4日の参院予算委員会では、男性が過去の覚せい剤事件で逮捕された経歴があることが明らかにされました。 この男性の関連会社が、野田佳彦財務相の関連政治団体のパーティー券を40万円分購入したり、蓮舫行政刷新担当相が支部長を務める政党支部に120万円献金していたことが判明しています。
前原氏は、野田、蓮舫両氏に男性の知人を紹介したことも明らかにしました。
一方、民主党も、「トゥウェンティワン」社を含め、男性の関連会社4社から06〜08年の3年間で計270万円分、パーティー券を購入してもらっています。
関連会社の一つの監査役には、東京地検特捜部長経験者が06年6月〜08年11月まで就任していました。
|
■関連キーワード