2011年3月4日(金)「しんぶん赤旗」
イレッサ和解反対の医学会声明
厚労省、関与認める
原告団が公表
薬害イレッサ訴訟原告団・弁護団は3日、厚生労働省の官僚が日本医学会に働きかけて薬害イレッサの和解勧告に応じないよう声明を出させていた問題で、厚生労働省で会見し、徹底調査を求める声明を発表しました。
声明は、日本医学会の高久史麿会長が発表した「和解勧告に対する見解」への「下書き(文案)」を作り渡していたことを、同省官僚が2月下旬の「薬害イレッサ問題の解決をめざす民主党議員の会」の席で認めていたことを明らかにしています。
さらに、高久会長が「厚労省側が面会を申し入れてきて、『これで見解を出してくれないか』と文書を持ってきた」としていることを指摘。「国が、現在進行中の訴訟についての見解の発表を依頼すること自体許されないことで前代未聞」と批判しています。
声明は、「国が、製薬企業と連携して、社会的影響力のある学会等に広く働きかけ、世論誘導を図っていたとするならば、空恐ろしい事態である」と警告しています。
原告団代表の近澤昭雄さんは「あまりにもひどい。悔しい」と語りました。
この問題では、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が予算委員会で追及。厚労相に調査を約束させていました。