2011年2月22日(火)「しんぶん赤旗」

岩手・胆沢ダム談合疑惑

「情報提供者から聴取を」

国交相 「(調査)不十分」 首相 「調査する」

笠井議員の追及 衆院予算委


 21日の衆院予算委員会で、小沢一郎民主党元代表に対するヤミ献金疑惑が浮上している岩手県の胆沢(いさわ)ダムの談合疑惑を取り上げた日本共産党の笠井亮議員。まともに談合疑惑の検証も行っていないと追及すると、菅直人首相も再調査を表明せざるをえませんでした。

確認の有無さえ

 胆沢ダム談合疑惑とは、「堤体(ていたい)盛立工事」(2004年10月入札)と「原石(げんせき)山材料採取工事」(05年3月入札)について、国土交通省に事前に談合情報が寄せられ、情報通りにゼネコンが落札した問題です。二つの本体工事だけで345億円にのぼります。昨年2月17日の衆院予算委員会で笠井氏がこの疑惑を取り上げたのに対し、当時の前原誠司国交相が調査を約束。ところが、同省が昨年8月に公表した検証結果では「談合の事実は確認されておらず」、問題はなかったとしています。

 笠井 国交省には当時、実名で複数回、談合情報が寄せられていたというが、情報提供者に接触し、詳細な情報を入手したのか。

 大畠章宏国交相 (情報提供者からの)聴取はしていない。

 笠井 それでは(疑惑は)解明できない。情報提供者との接触に努めるのは当然だ。

 大畠国交相 その通り。

 笠井氏はさらに原石山材料採取工事の下請け企業には、小沢氏側にヤミ献金を渡したと関係者が証言している水谷建設も含まれており、これも談合情報通り下請けとなったことを指摘。ところが、大畠国交相は、「確認したかどうかも確認していない」などと無責任な答弁をしました。

 笠井氏は、「民主党政権の下で行われた検証結果でも当時と結論が変わっていない」と批判。検証結果自体にも調査は「不十分であった」と指摘されていると強調しました。大畠国交相は、「私もそのように思う」と答えざるをえませんでした。

 胆沢ダム工事談合疑惑についてどんな事情聴取を行ったのか。

マニュアル通り

 大畠国交相は、入札参加者に対し「すでに落札業者が決定している事実はありますか」と質問するなど、国交省マニュアルにそった事情聴取を行ったことを説明。笠井氏は、そのマニュアルについて前原前国交相が、「セレモニーみたいなもの」(2010年2月17日、衆院予算委員会)と述べていたことを指摘しました。

 笠井 そんな事情聴取は相手側に否定される結果になることは容易に予測できるではないか。

 大畠国交相 ご指摘の通り不十分だと思う。

 さらに笠井氏は、国交省の検証結果では、談合がないと確信できない場合には入札取りやめも検討する必要があるのに、その検討も行われておらず、「慎重に検討する余地があったと評価せざるを得ない」と述べていることを示して畳みかけました。

 笠井 胆沢ダムの本体工事で談合はなかったと判断することはできない。再調査は当然だ。国交相に指示すべきだ。

 菅首相 不十分な点があるならばさらなる調査を行っていくよう指導していきたい。

 笠井氏は、「これ以上わからないというなら本人に聞くしかない」と強調。「国民の暮らしが大変なときに、談合などの不正行為があり、国民の税金がヤミ献金として政治家に還流したとすれば重大問題だ」と述べ、小沢氏の証人喚問の実施を改めて求めました。





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