2011年2月19日(土)「しんぶん赤旗」
B型肝炎 原告1人今月死亡
一刻も早く救済を
口頭弁論で強調 東京地裁
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乳幼児期に国が強制した集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染させられた被害者が国に損害賠償を求めている全国B型肝炎東京訴訟の口頭弁論が18日、東京地裁で行われました。弁護団は訴訟の進行について意見をのべるなかで、原告の1人が2月に亡くなっていることを明らかにして、早期全面解決の必要性を強調しました。全国の原告で提訴後に亡くなった人は13人になりました。
64歳の男性原告は2006年に肝がんが見つかり、家族みんなが極度の動揺に襲われました。飲食店を経営していたこの男性原告はリーマン・ショックの不況で店をたたみ、現在は「娘の収入に助けられながら夫婦でアルバイトをしてつましく生活している」と証言。「35年間働いても不況で店を失い、さらにB型肝炎で死の恐怖とともに生きなければならない。一刻も早く被害救済が行われるように切に願います」と陳述しました。
厚労省前で宣伝
開廷前に東京・霞が関の厚生労働省前で「私たちを取り残さないで」と、早期全面解決を求める宣伝活動に取り組みました。
全国原告団代表の谷口三枝子さんは、最初の札幌地裁提訴から最高裁判決がでるまでに17年かかり、最高裁判決で国の責任が断罪された後も国は被害者をほったらかしにしたと訴えました。そして、「20年間で賠償請求が消滅する除斥期間を理由に救済しないのは冷たく不条理です。全員救済を勝ち取ります」と決意を述べました。